目次
2011〜2016年、どこでトレードしたのか
今回は「改良版ダブル移動平均」の最終回。2001年からの全16年間のうち、2011〜2016年の売買をチャートとともにみていこうと思います。もちろん、改良の前後を比較しながらです!
前回までの記事はコチラ
「改良版ダブル移動平均」の成績
以前検証したダブル移動平均システムを改良することで、最終残高が大幅に改善されました。
未決済を含む純資産ベースの最終残高
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ダブル移動平均システムのざっくり概要と、改良点
詳細は、過去の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。
ダブル移動平均システムのざっくり概要
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改良点
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2011〜2016年の損益の推移
ビフォー
アフター
ふたつの資金の推移を比較すると、大きな流れかなり似ているように見えます。しかし、細かく見ていくと、改良後のほうがドローダウンが大きく、利益も大きい。そして、ドローダウンのタイミングが微妙に違うなどの相違点もあります。この違いがどのように生まれたのか、チャートで確認をしていきたいと思います。
エントリーとイグジットをチャートでみる
日経225
ビフォー
アフター
なんと・・・!
なんとなんと!
改良前はしっかり取っていたアベノミクスを取り逃しています。。この影響はかなり大きいはず。。しかし!アベノミクスにはドル円相場もあります。しかも、上ですでに確認した通り、資金の推移はしっかり改善されています。
NYダウ
ビフォー
アフター
アベノミクスがとれなかった分、NYダウの上昇をしっかり取っています。これでプラスマイナスゼロといったところでしょうか。
ドイツ株価指数
ビフォー
アフター
こちらも改良前に取れていなかった、大きなトレンドを取っています。これも大きいですね〜!
イギリス株価指数
ビフォー
アフター
イギリス株はノイズが大きいですが、これもそこそこの値幅を取ることができたようです。
香港ハンセン指数
ビフォー
アフター
香港ハンセン指数は、改良前後での違いはあまりなさそうです。
ドル円
ビフォー
アフター
ドル円も大きな違いなし。アベノミクスは取れていません。
アベノミクスの頃、チャートの形をみると、世界の株価指数やドル円の相関はかなり強かったはずです。その中でたまたまダウやドイツ、イギリスの株にエントリーしただけであって、全体として取るべきトレンドはしっかり取れているのかもしれません。
もちろん、相関の強い銘柄たちの中でも良いもの悪いものがあるのは確かですが、それよりも「何かしらのトレンドにのる」「資金管理をしっかりする」という点が重要なのでしょう。
ユーロ/米ドル
ビフォー
アフター
ユーロの大きな下降トレンドを取り逃しているようです。
ポンド/米ドル
ビフォー
アフター
ポンドは余計なエントリーが増えています。
豪ドル/米ドル
ビフォー
アフター
豪ドルの下降トレンドも取り逃していますね。
スイスフラン/米ドル
ビフォー
アフター
スイスフランもやたらとエントリーが増えています。
そして、決して忘れてはいけないスイスフランショック。現在の仮想通貨ならこのくらいのショックは十分あり得ますが、まさかの一国の通貨でこのショック。いつなんどき、このようなショックがくるか分かりません。要注意です。
また、今回の検証ではヒゲの影響まで考慮していません。売りポジションを持っている中での上ヒゲ。もしかしたらどこかで強制ロスカットになっていたかもしれません。
カナダドル/米ドル
ビフォー
アフター
カナダドルはちょっとしたエントリーの違いです。
NY金
ビフォー
アフター
ゴールドは、新たに下降トレンドを取っています。
NY白金
ビフォー
アフター
プラチナも、改良前と同様に下降トレンドを取っています。
NYパラジウム
ビフォー
アフター
パラジウムは若干のエントリーの違いです。
WTI原油
ビフォー
アフター
原油も引き続きしっかり下降トレンドを取りました。
シカゴコーン
ビフォー
アフター
シカゴコーンはほぼ変わらず。
まとめ
さて、今回のまとめでは、少しスイスフランショックに注目してみたいと思います。以下は、スイスフランショックを拡大して、値洗いを追加したものです。
スイスフランショックで著しく値洗いが悪化していることがわかります。
スイスフランショック前日の純資産が約550M円(約5億5千万円)でした。そして、上のチャートを見ると、約140M円(約1億4千万円)のマイナス。これが終値でのマイナスなので、一時、この倍以上の含み損が出たわけです。ここで次のようなことが言えそうです。
- ヒゲを含めて考えても理論上耐えきれた。つまり、破産はしていない。
- しかし、耐えるためには3億円以上の余剰金をFX口座においてある必要があった。これは現実的ではない。つまり、強制ロスカットになった可能性が高い。
- たったひとつの金融ショックで、たった1日の値動きで、全資産の半分以上の含み損が発生したという事実。これは精神的に耐えられるものではない。
こんなところでしょうか。スイスは比較的流動性がある通貨であったと思われますが、当時、市場介入を行っていました。今後、こういう金融ショックを避けるために、大胆な市場介入を行っている銘柄への投資は控えたほうが良いのかもしれません。
この検証では、1エントリーで純資産の0.5%のリスクしか取っていません。それでも、こういうことがあるわけですね。いかに資金管理とリスク管理が必要か。よく分かる事例です。
今日はこんなところで。次回からは別の検証をお送りしていきます(^^)
乞うご期待!
Wrote by「U」