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「改良版ダブル移動平均」の成績は
前回の記事で、もとのダブル移動平均システムを改良することで、大幅な改善を達成したことをお伝えしました。
未決済を含む純資産ベースの最終残高
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この記事では、「改良版ダブル移動平均」の成績の詳細を、もとのダブル移動平均システムと比較しながらご紹介していきたいと思います。
ダブル移動平均システムのざっくり概要と、改良点
詳細は、前回の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。
ダブル移動平均システムのざっくり概要
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改良点
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検証結果(表)
まずは、数字で検証結果の違いを見ていきます。
資金の推移
ビフォー
アフター
改良前は純資産ベースで19倍、改良後は68倍。最終残高が3倍以上になっている上に、わずかではありますが最大ドローダウンも改善しています。
今回の改善で一番大きな影響を与えているのは、資金管理のベースを「決済済み現金資産 →未決済を含む純資産」としたことです。長期の手法は決済が遅く、利益を運用に活かすのがなかなか難しい面がありますが、純資産をベースとすることで大幅に改善されています。
年毎の売買成績
ビフォー
アフター
取引回数は「199回 → 202回」とほぼ変わりありません。また、エントリーシグナルは変更していないのでシグナルがでるタイミングも同じはずです。しかし運用成績には大きな差があります。
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0.5-ATRで早々にピラミッティングしていたものを1-ATRにすることで余分なエントリーを減らし、分散投資の制限を厳しくすることで似た動きをする銘柄のエントリーを減らしています。そして、減った分は違うエントリーにまわっていくわけです。
また、勝率やRR、期待値は以下のようになりました。
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期待値だけでみると悪化しているようにみえますが期待値には資金配分(管理)は含まれていません。勝率とRRの関係は総合的にみると同じくらいといったところでしょうか。
期待値が高いのだから、もとのダブル移動平均システムで資金管理だけ変えればいいように思われがちですが、そう簡単にいかないのが投資の難しいところです。
資金管理を変えるということは1トレードのリスクを多くしているということです。すると最大ドローダウンが大きくなるなどの弊害がでてきます。リーマン・ショックといった金融危機を乗り越えることができなくなります。その対処として、今回は相関の制限を厳しくするのです。
手法の良し悪しを測るのに、勝率とRR、期待値だけでは、少し不十分なのかもしれません。
銘柄別の売買成績
ビフォー
アフター
銘柄別の売買成績を掲載するたびに言うことなのですが、この表をみると分散投資の重要さがよくわかります。しかも、分散投資の銘柄数は多ければ多いほどいいです。
これは人づてに聞いた話で確かめたことはないのですが、分散投資の銘柄数を25銘柄以上にすると非常に効果的なのだそうです。分散投資はリスクを低減してリターンの機会を増やすことができるのですが、25銘柄以上になるとその効果がよくでてくるのだそうです。
まとめ
今回は、改良版ダブル移動平均システムの成果を数字でみてきました。
一見すると勝率や期待値が悪化していてあまりよい結果にみえないこの手法ですが、最終残高は3倍以上、最大ドローダウンも改善するなど大変いい成果をあげました。
これはひとえに資金管理の賜物です。
資金管理で良い結果を導きだすにはリスクを多くとることが必要になりますが、その対処で勝率や期待値を犠牲にせざるを得ないときがあります。
手法全体の良し悪しを判断するためには、勝率やRR、期待値の他に、最大ドローダウンやMAR比といった資金管理やリスクの数値もみる必要があります。
今日はこんなところで。
次回は、グラフで資金管理やリスク管理の良し悪しをみていきます!
最後までお読みいただきありがとうございました(^^)
Wrote by「U」