トレード徹底検証「トリプル移動平均」編 1

過去の検証記事はコチラ!

 

本「タートル流 投資の魔術」より

このシリーズもいよいよ6つ目!投資本「伝説のトレーダー集団 タートル流 投資の魔術」に掲載されているトレード手法の検証も、いよいよ最後の手法となりました!

この本は、タートルズのひとりであったカーティス・フェイスによって書かれたもので、タートルズの手法の詳細や、下記のようないくつかのバックテストの検証結果が紹介されています。

  • ATRチャネルブレイクアウト
  • ボリンジャーチャネルブレイクアウト
  • ドンチャンチャネル
  • 時限付ドンチャン
  • ダブル移動平均
  • トリプル移動平均

これまで、上から順番に5つの手法を再現してきましたが、銘柄や期間が異なる分の違いこそあれど、それぞれの手法の特性をしっかり再現できてきた!と、自負しております^^

さて、最終回は「トリプル移動平均」――。

なんか、移動平均を3本使うとなると、小次郎講師の移動平均線大循環分析に似ている気がしてきますよね。

しかーし!誤解なきよう最初に断っておきます!この手法は、移動平均線大循環とはまったく違います!移動平均線の3本使いを(良くも悪くも)これ以上ないくらいシンプルにした超・長期の手法です。誤解をされないようお願いします。

さてさて、「トリプル移動平均」編・第1回のこの記事では、手法の解説をします。

ほとんどのルールはこれまでの手法と同じですが、この記事から読み始める方もいらっしゃるのですべて掲載します。変更点は赤字にしています!

 

トリプル移動平均と検証の基本的なルール

「ユニット」にもとづいた資金管理とリスク管理

  • 1年ごとの管理とする(1月スタート)
  • 年間の累計損益がマイナスの場合、その損失額は倍の計上とする
  • 1ユニット = 投資金の0.5% = ATR20 = 1回のトレード量(以下、「1N」)
      ――これは1日あたりの1銘柄のリスクを0.5%にしている!ということです^^
  • ユニットで分散投資をする
    • 単一銘柄で4Nまで
    • 強相関の銘柄は6Nまで
    • 中相関の銘柄は10Nまで
    • 買いの銘柄は12Nまで
    • 売りの銘柄は12Nまで
    • 全体で最大24Nまで
        ――「相関」というのは似た動きをするかどうかということ

 

エントリーのルール

使用するテクニカル分析

  • 350日指数平滑移動平均線(EMA350)
  • 250日指数平滑移動平均線(EMA250)
  • 150日指数平滑移動平均線(EMA150)

 

エントリーとイグジットのシグナル

エントリーのシグナル

  • EMA350に対してEMA250とEMA150の2本が上に位置したタイミングで買エントリー
  • EMA350に対してEMA250とEMA150の2本が下に位置したタイミングで売エントリー

上の図を見ると、AのタイミングでEMA150がEMA350を上抜き、続いてBのタイミングでEMA250がEMA350を上抜いています。BのタイミングをもってEMA150・250がEMA350の上に位置したので、ここで買エントリーします。

また、これまでの検証と同じで分散投資とピラミッティングも行っているので、すべてのシグナルでエントリーするわけではありません。他の銘柄のエントリー状況で見送るケースも多くあります。

 

イグジットのシグナル

  • エントリー後、EMA250がEMA350に対してマイナス方向にクロスしたタイミングでイグジット

上図は前述のエントリーの続きですが、買エントリー後にEMA350をEMA250が下抜けています。マイナス方向にクロスしたので、ここでイグジット。

 

ピラミッティングの条件と量

ピラミッティングというのは、プラス方向に価格が動いた後にポジションを増やすことをいいます。調子が良い銘柄はどんどん追加していきます^^

  • エントリーの価格から 2分の1N プラス方向に動いたら追加
  • 1回につき 1N追加する
  • 1銘柄につき最大4N(タートルズは「ロード」という)

 

検証市場

  • 株価指数
    • 日経225
    • NYダウ
    • FTSE(イギリス株価指数)
    • DAX(ドイツ株価指数)
    • HSI(香港ハンセン指数)
  • 為替
    • 米ドル/円
    • ユーロ/米ドル
    • ポンド/米ドル
    • 豪ドル/米ドル
    • スイスフラン/米ドル
  • 海外商品
    • NY金
    • NY白金
    • NYパラジウム
    • WTI原油
    • シカゴコーン

流動性を鑑みて、独断と偏見で選んでいます。もちろん、本に掲載されている銘柄とは違います。本の方が検証の銘柄数が多いため、分散の効果も高くリスクを抑えられていると考えられます。

 

まとめ

さて、前回の「ダブル移動平均」に比べると、移動平均線が1本加わった分ちょっとだけ複雑さが増したと言えます。攻撃的なほどシンプルだった前回の手法と比べて、一体どのような結果になるのか、楽しみなところです。

また、複雑さが増したとはいえ非常にシンプルなこの手法。おそらく、この記事をお読みのほとんどの方が「あまり利益が出るイメージが湧かない」のではないかなと思います。そのイメージと今回の手法の違いと言えば「超・長期である」ということや「資金管理を徹底している」という点。このあたりを考慮しながら「どういう結果になるのか」を楽しみにお待ちいただければと思います!

それでは、今日はこのへんで^^

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

(仕事人「u」)

おすすめ


公式インジケーターを利用する