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改良版ドンチャン・ブレイクアウトを徹底検証。はたして改良の成果は・・?
上記3つのチャートは今回の改良版ドンチャン・ブレイクアウトのエントリーとイグジットを説明するためのものです。改良されたのは、一番上の図の「シグナルのフィルタリング」に使う移動平均線です。タートルズが300EMAと50EMAを使用していたのに対して、改良版は350EMAと25EMAを使用しています。
その成果はいかに・・!
検証の結果(表)
何はともあれ、まずは数字を!
資金の推移
今回の検証結果は、元金1000万円が約10倍。
これまでの検証結果(すべて20倍以上)と比較すると、かなり見劣りする結果です。個人的には、あまり妙味を感じることができないレベルですね。いくつかの設定をいじれば、もう少し魅力のあるリターンになりますが、そもそもの優位性があまり良くないです。
ふ〜む。
年毎の売買成績
次に売買成績を年毎に分析したものです。勝率が43.4%、リスクリワード(RR)比が1.51倍。破産の確率は0.5%で、ギリギリ許容範囲といったところでしょうか。期待値はなんと、リスクの0.52倍。前回のボリンジャーバンド・ブレイクアウトが7倍だったことを考えると非常に低いことが分かると思います。
長期的に儲かる手法ではあるのですが、もっともっと良い手法がたくさんあります。
銘柄別の売買成績
こちらは銘柄別で分析してみたもの。分散投資しているので一概には言えませんが、やはり単一銘柄で取引していくのはリスクが高いようです。16銘柄中、5銘柄がトータルでマイナスという結果に。
検証の結果(グラフ)
お次はグラフとともに解説していきます!
資金の推移
推移としてはこんな感じです。
よくある形です。トレンドフォローの手法であるならば、利益を取れる時期は同じです。問題は、「利益を取れる時期にいかに多くの利益をあげるか」そして、「トレンドフォローにとって難しい時期に、いかに不要な損失を減らすか」ですね。
これが難しい。
地道な検証が必要です。
資金の推移(%)
現金ベースで一時20倍超えの利益があがった局面もあったようです。
年毎の資産の推移(%)
損小利大はしっかりできています。
N(ポジションリスク)の推移
Nとはポジションリスクのことです。そのときの投資金に対して1日何パーセントのリスクを取っているのか。その推移を表しています。
短期の手法であることから、Nの上限はしっかり守られています。
Nの価値の推移
Nを算出ための投資金の推移です。
ドローダウンの推移
他の手法に比べると、ドローダウンはそんなに大きくありません。
ドローダウンの期間
期間は4年が最長ですね。これは他の手法と大差ないです。
他の手法との比較
最後に他の手法と比較してみましょう!
資金推移の比較
さてさて、今回の手法ですが、このコラムで掲載している検証の中で最も悪い結果となりました。それでも長期的に利益のあがる手法ではあります。
特に、同じドンチャンブレイクアウトであるはずなのに、改良したはずなのに、数値が悪くなってしまっていることにビックリですね。信じられなくて、何回か計算し直しましたが間違いではありませんでした・・!
ドンチャンブレイクアウトの結果をよくよく細かく比較してみても、やはり旧版のドンチャンブレイクアウトの方が良い成果になっています。たまたまの、「ちょっとしたタイミングの違い」ではなさそう。
変更したのがシグナルのフィルタリングに使用するEMAの計算値だけだったことを考えると、300-50の方がフィルタリングとしては優秀なのでしょうか。
追求するにはもうちょっと検証が必要そうですね。
売買成績の比較
勝率はRRにはそれほど大きな差がありません。それでこれだけ結果が違う。。シビアですね・・!
総括
今回の検証では、Nを元金の0.5%としています。つまり、リスクを控えめにしているわけです。
これは、ボリンジャーバンド・ブレイクアウトのような超長期の手法にとってはバッチリなのですが、今回のドンチャン・ブレイクアウトのような短期〜中期の手法にとっては少し逆効果なような気がしています。
リスクとリターンは表裏一体です。リスクを控えるとリターンも落ちてしまうわけですね!
ではでは、今日はこんなところで^^
最後までお読みいただきありがとうございました!
(仕事人「U」)