Part.14 TradingViewで確認する、FXブローカーの表示の違い

【過去の記事はこちらをご覧下さい】

こんにちは、ShoujiSuzukiです。
今回は前回の予告とは違いますが、FXチャートを表示するときに表示される4つのブローカーのチャートにて、特に4時間足チャート表示で大きな注意点が見つかりましたのでそちらを見ていきたいと思います。
(TradingViewのトレード注文方法は次回に)

 

【前回の記事の訂正】TradingViewでトレードできる通貨ペアの注意点

前回の投稿にて取引のできる銘柄は「OANDAが提供するFXとCFD銘柄に限られます」と記述させていただきましたが、訂正し「OANDAが提供するFXのみ」がトレードすることのできる銘柄になります。CFD銘柄を選択し、トレードをしようとすると下記のように「トレードができないシンボル」と表示されトレードすることができません。

銘柄入力フォームにて、取引画面にログインをしていると[OANDA]というチェックボックスが表示され、こちらを有効にし、「FX」を選択すると取引ができる銘柄が表示されるようになります。

 

 

【重要】FXチャートの4時間足がブローカー毎に表示が違う

4つのブローカー

TradingViewのFX銘柄は「OANDA」「FXCM」「FOREX.COM」「IDC(Interactive Data Corporation)」の4社の提供する価格データのチャートを表示することができます。
メジャーな通貨ペアは4社が提供している物はほとんどですが、マイナーな通貨ペアは「IDC(Interactive Data Corporation)」のみが提供してる場合もあります。

MetaTaredr4でもブローカによって、表示される時間や日足の本数が5本なのか6本なのかといろいろな問題を抱えておりましたが、TradingViewでもこの4社で大きな表示のずれがあることが分かりました。(長い内容になりますので、最後【結論】のみを読んでいただいても結構です)

 

 

4時間足のローソク足の違い

4社それぞれのUSDJPYの4時間足チャートを本日4月30日6時57分の時点でスクリーンショットです。左上から「OANDA」「FXCM」「FOREX.COM」「IDC」の順です。

問題:ローソク足の形状が違う

比べていただくと、上2つの「OANDA」と「FXCM」に比べて、下2つの「FOREX.COM」「IDC」のヒゲの形が違うことはご覧頂けますでしょうか。
赤枠を拡大した物が下記ですが、「OANDA」と「FXCM」はほぼ同じヒゲの形状で陰線上ひげの方が長いことに対して、「FOREX.COM」は陽線のヒゲの方が長く、「IDC」は陰線実体も長くなっていることが分かります。このように形状が違うとキャンドルパターンなどでトレードしているトレーダーは分析を見誤ってしまいます。

 

問題:ローソク足の表示がずれている

また、「OANDA」「FXCM」「IDC」は同じ位置にスイングHiがありますが、「FOREX.COM」はスイングHiの高値の位置も若干左にずれています。

 

為替市場はブローカーによってローソク足の形状が違うことは常識的なものですが、大循環分析などは終値を使用してインディケータの計算をしているため、これでは表示に若干の誤差が出てしまいます。

ここまでローソク足の形状や表示にズレが出てしまうのは何故でしょうか。

 

原因:月曜日の朝の開始時間と土曜日の夜の終了時間が違うため

原因は月曜日の朝の開始時間と土曜日の夜の終了時間が、それぞれのブローカで違うことでした。
TradingViewは特別なインディケータを入れなくても、後何時間で次のローソク足に移るか右側のスケールに表示がされています。まずはこちらを見ていきましょう。

 

本日4月30日6時57分の時点にて、「OANDA」と「FXCM」は「3:03:56」と表示され約3時間後に次のローソク足に移ることが分かります。そのため、6時からローソク足ができていることが分かります。
「FOREX.COM」は「2:03:56」と表示されています。つまり約2時間後にローソク足が次に移ることが分かります。5時からローソク足が描画されていることが分かります。
「IDC」は「市場終了」と表示されています。つまり、6時57分の時点ではまだローソク足は描画されていません。7時にローソク足が描画されました。

つまり、「FOREX.COM」が5時、「OANDA」と「FXCM」は6時、「IDC」は7時からローソク足が表示されています。これが4時間足のローソク足の形状違いの原因です。

では今は夏時間ですが冬時間のローソク足の描画開始と終了時間は何時なのでしょうか。調べてみると下記のようになりました。

夏時間 冬時間
OANDA 月曜6時 から 土曜5時59分 まで 月曜7時 から 土曜6時59分 まで
FXCM 月曜6時 から 土曜5時59分 まで 月曜7時 から 土曜6時59分 まで
FOREX.COM 月曜5時 から 土曜6時59分 まで 月曜6時 から 土曜7時59分 まで
IDC 月曜7時 から 土曜6時59分 まで 月曜7時 から 土曜6時59分 まで

「FOREX.COM」と「IDC」は開始時間がずれていたり、「FOREX.COM」は描画される期間が長いことが分かりました。この影響は非常に大きいです。
影響を見ていきましょう。

 

影響:4時間足のローソクの本数が多い

1週間分の4時間足のローソク足を数えてみると、「OANDA」「FXCM」「IDC」は30本でしたが、「FROEX.COM」は31本でした。

しかも「FOREX.COM」の下記の表の通り、31本目の4時間足ローソク足は1時間分のローソク足4本で表されておらず、2本分しか含まれていません。
これは「FOREX.COM」が夏時間にて「月曜5時~土曜6時59分まで」をローソク足表示しているためです。そのため、1時間ローソク足2本分が余ってしまい31本目の4時間ローソク足ができてしまったのです。(冬時間も同じです)

 

 

 

1時間足以下のローソク足でも、「FOREX.COM」はローソク足本数が多いためズレが発生しています。
日足の本数は全てのブローカーが5本でしたが、「FOREX.COM」は金曜日のローソク足はデータが多くなっていますので、誤差が出ている可能性があります

「FOREX.COM」「IDC」はローソク足の開始時間が早かったり遅かったりするため、4時間足の切り替わり時間にズレが発生し、終値などをベースに計算するインディケータに影響を与えます。

 

【結論】4時間足表示の場合「OANDA」か「FXCM」のチャートを選択する

ローソク足のデータに過不足があると、ローソク足の表現やインディケータの表示か変わってきてしまい正しい分析ができなくなってしまいます。
テクニカル分析は、多くのトレーダー・投資家が見ているチャートで正しく分析をしなければ優位性は高くなりません。
「OANDA」と「FXCM」に関しては、月曜日の開始時間や本数などデファクトスタンダードと同じになりますので、筆者は「OANDA」か「FXCM」の為替チャートを表示し、マイナー通貨ペアで「OANDA」「FXCM」が選択肢にない場合は「IDC」のチャートを表示することをおすすめします。

ただ、「FOREX.COM」がNGかというとそうではなく、1時間早くチャートが動き出すのはギャップトレードなどでうまく利用できるかもしれません。

 

いかがでしたでしょうか。今回は非常に細かいことですが、重要なことを書かせていただきました。
次回は今度こそトレード機能をもっと詳しく見ていきましょう。

共に頑張りましょう。ShoujiSuzuki

 

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