とある夜、境内にて。
月が…綺麗ですね…。
そうっすねぇ。もう十五夜である中秋の名月は過ぎてしまいましたが、こう寒くなると空気が澄んで、月がはっきり見えて風流ですね。
少し肌寒いぐらいですが。
こう月を見ながらお団子を食べてると、僕が小さい頃にあった、一休さんがお師匠さんの目を盗んでお団子をパクパク食べる謎のゲームを思い出しますねぇ。バレるとものすごい勢いで木魚の棒でぶっ叩かれるんですよ。(しみじみ)
(なんの話だろう…)
いやぁ懐かしいなぁ…
はぁ…
そんなマイナーゲームはよく知りませんが、瞬くんもせめてもう少し知的なことでも言えるといいんですが…
そんなマイナーゲームはよく知りませんが、瞬くんもせめてもう少し知的なことでも言えるといいんですが…
ち、知的なこと!?
例えば、有名な話ですが、かの文豪・夏目漱石が英語教師をしていた頃、生徒が「I love you.」を「「我君ヲ愛ス」と訳したら「月が綺麗ですね、と訳せば日本人はそれで伝わるんです」と言った逸話だとか。
そ、そうだったんですか…!さすが小次郎講師博識だなぁ。
投資のことだけでなく様々な教養を身につけていきましょうね!
は、はい!
…あれ…でも……
…あれ…でも……
どうしました??
い、いえ…!!ななな、なんでもないっす!
今日も授業宜しくお願いしますー!
今日も授業宜しくお願いしますー!
変な子だなぁ…
(え!?最初に、小次郎講師が僕に向かって言ってたことって…そ、そういうこと!?
ひぃ!)
ひぃ!)
パラボリック
今日から新しいテクニカル指標「パラボリック」をお教えしていきましょうか。
パ、パ、パ、何?パラリンピック??
パラボリック!正式名称はパラボリック・タイム/プライス・システム(The Prabolic Time / Price System)
なんか名前からしてご大層だなぁ。
こういうチャート見たことありません??
あ!ありますあります!
これは×で描画されてますが、マークは何でも良くて、◯だったりただのドットだったりと色々あります。
これがパラボリックって言うのかぁ。
ん?ネットで調べると「パラボリックSAR」なんてのも出てきますが、これは同じもの?別物?
ん?ネットで調べると「パラボリックSAR」なんてのも出てきますが、これは同じもの?別物?
全く同じものです。
SARというのは「Stop And Reverse」の略。
“ストップ”して、そこから“リバース”するわけだから、投資用語で言うところの「ドテン」ってやつですね。
SARというのは「Stop And Reverse」の略。
“ストップ”して、そこから“リバース”するわけだから、投資用語で言うところの「ドテン」ってやつですね。
(べ…別の記事??)
あ…いや、その…ゲフンゲフン!お、お気になさらず!
そ、そうですか。
とにかくドテン(途転)というのは、新規で買ったものを手じまうと同時に新規売りし、新規売りしたものを手じまうと同時に新規買いするという手法。
とにかくドテン(途転)というのは、新規で買ったものを手じまうと同時に新規売りし、新規売りしたものを手じまうと同時に新規買いするという手法。
決済したら、すぐさま逆の注文を入れるってやつですね。
ただし、実はあまり一般投資家にはおすすめ出来ない手法なんです。
手じまった後に、逆のトレンドが必ずしも発生するわけではありませんから。
手じまった後に、逆のトレンドが必ずしも発生するわけではありませんから。
た、確かに…。
そういった意味で、手じまった後すぐ逆の注文を入れるのはオススメできませんが、「手じまい」という一点においては、この【パラボリック】なかなか優れた効能を発揮する手法なんですよ!!
ふへぇー!
手じまいは投資家の永遠の悩みどころの一つだから、それだけでもありがたい!
手じまいは投資家の永遠の悩みどころの一つだから、それだけでもありがたい!
パラボリックはJ・ウェルズ・ワイルダーさんが考案したテクニカル指標です。
知ってる方も多いかもしれませんが、ワイルダーさんはRSI、DMI、ピボット、ATR等たくさんの人気指標を作ったテクニカル分析の第一人者です。
知ってる方も多いかもしれませんが、ワイルダーさんはRSI、DMI、ピボット、ATR等たくさんの人気指標を作ったテクニカル分析の第一人者です。
な、名前だけは聞いたことあるかも!
(きっとないな…。)
そしてですね、パラボリックの意味は「放物線」。
そしてですね、パラボリックの意味は「放物線」。
パラボナアンテナみたい。
あれも形状が放物線ですからね。
やっぱし!このチャートに描かれてるポツポツも、それぞれ放物線描くようにカーブしてますもんね。
そうなんです。その形を言い表しただけですから、決して難しいものではないんですよ。
では、いつものように計算式からいきますよ。
では、いつものように計算式からいきますよ。
アルファベットがいっぱいあると難しそう…!
見た目は、ですね。この英語の意味と大袈裟な漢字の意味がきちんとわかれば、このテクニカル指標とも仲良くなれますよ。
うっす!目指せテクニカルマスターっす!
まずSARというのがこの指標そのものである、点のこと。
そしてAFは一旦置いといて、EPとは「Extreme Point」の略。極限値、なんて言葉で言うから難しく感じるだけで、上昇トレンドだったら「最高値」下降トレンドだったら「最安値」と言い換えると途端に分かりやすくなります。
そしてAFは一旦置いといて、EPとは「Extreme Point」の略。極限値、なんて言葉で言うから難しく感じるだけで、上昇トレンドだったら「最高値」下降トレンドだったら「最安値」と言い換えると途端に分かりやすくなります。
チャートを見ると、上昇と下降の時で、この点々が上下入れ替わってるように見えますね。
ナイス着眼点!SARの点がチャートの下側に描かれていたら上昇トレンド、上側に描かれていたら下降トレンドとみなします。
ちょこちょこ点々が上下に入れ替わってる時は?
そういう時期はもみ合い相場です。この点々ちゃんたちは、大別して上昇か下降の2分しかできないので、点々が上に行ったり下に行ったりしてる時は、すなわちもみ合い相場だということが言えるんです。
確かにもみ合い期にも小さな上昇と小さな下降がありますもんね。
そしてAFというのは
オートフォーカス!!
はい全然違います。AFは「Acceleration Factor」の略。加速因子、という訳もそのままなんですが、相場の勢いがあり上昇下降が加速していくとこれが増える、くらいに今は思っていただいて構いません。
この0.02~0.2という範囲はなんぞ??
これぞパラボリックの特徴で、この数字は0.02から始まり、0.02ずつ増えていき最大で0.2までしか増えません。
(プスプスプス…す、すうじ…にが…て…)
こんなので頭ショートしないでくださいよ!!ただの足し算ですから!
あ、こう書かれると楽勝ですね。
(ホントすぐ調子乗るなぁ…)
増えていくけど、0.2がリミットだと。
トレンドが勢い付いている時だけ増えるので、上昇相場だったら新高値を更新した時、下降相場だったら新安値を更新した時にしか、このAFは増えません。
ふむふむ。そうやって出した数字で点々の位置が決まり、それが価格とぶつかると上下の点々が入れ替わる、とかですか!?そう見える!
冴えてる!と言いたいところですが、それだとパラボリックの本質を何も理解してないと等しいので、なぜそうなるのかの理屈もきちんと理解しなくてはいけません。
はっ!短絡的にサインだけを覚えたがる、一番やっちゃいけないことをやろうとしてしまった…!猛省!
そうなんです。一般には点々がぶつかったら買い時、売り時、だけ説明してるサイトや書物が多いのですが、その意味を知らないと到底テクニカル指標とは仲良くなれないので、私はしつこく本質を追求していきますよ!
その姿勢にいつも背筋を正されます。さすがお師匠!
この指標の持つ本質は、「的確な手じまい」という点。そしてそれは最高峰のトレイリングストップなんですよ。
ト、ト、ト、トレインスポッティング!?
後で一緒に耳掃除をしましょう。
トレイリングストップ!!(大声で)
トレイリングストップ!!(大声で)
(キーーン!)
そういえばまだこの説法はしてませんでしたね。
(出た、急に思い出したかのように、お寺設定出してくるやつ)
トレイリングストップとは、一度決めたロスカットラインを価格の上昇・下降に合わせて追随させる手法。例えば何かを1000円で買ったとして、ロスカットラインを800円に決めたとします。そうしたらその200円幅を保ったまま、価格の上昇に合わせて手じまいラインも同じだけ切り上げていくんです。
そしてその手じまいラインは価格が下がっても変わらない。下がって手じまいラインにタッチしたら、そこで決済されるってことですからね。
解説はこちらに載ってますよ!
解説はこちらに載ってますよ!
なんだ!知ってたじゃないですか!
へへ、僕だって日々進化してるんですよ。
男子三日会わざれば刮目して見よ…!!
ロスカットラインが最初の設定のままだと、どれだけ上手く流れに乗って価格が上がっても、
上の図で言えば800円までもし下落しちゃったら一気に利益なくなっちゃいますもんね。
上の図で言えば800円までもし下落しちゃったら一気に利益なくなっちゃいますもんね。
それを防いでくれるのがトレイリングストップ。利益は確実に確保しつつ相場の急変にも対応できる優れた手法です。ですが、長所もあれば短所もある。人と一緒ですね。
と、言いますと!?
価格上昇中にも一時的な下げというものがありまして、価格が大きく上昇すればするほど、その一時的な下げもドーンと大きなものになります。
確かに。深い押し目も上昇相場の中でたまに見ますもんね。
その時にトレイリングストップで手じまいラインを上げていると、その後まだまだトレンドは続くのに、その一時的な押し目で決済ラインに引っかかってしまうということもあるのです。
そうすると、大きなトレンドは獲れないっすなぁ。言われてみれば短所かも。
トレイリングストップももちろん素晴らしい手法なんですが、その問題点を改善したのがパラボリック!
おぉ!俄然興味が湧いてきました!!
そしてそして!さらにその問題点を克服した「小次郎講師流トレイリングストップ」というのも存在するのですが…!
ですが…!?
それはまぁ秘密、ということでね 笑
ええー!出し惜しまれると気になる!!
いつかセミナーでお会いした際にでも直接お話しできればと思います。
まぁ今日はパラボリックのお話ですもんね。
少し話がトレイリングストップの方に逸れてしまいましたが、結局のところ、その改良バージョンのパラボリックは手じまいの際にどう有効活用できるんですか!?
少し話がトレイリングストップの方に逸れてしまいましたが、結局のところ、その改良バージョンのパラボリックは手じまいの際にどう有効活用できるんですか!?
まぁこの話はまだまだ奥が深いので、夜も更けてきたことですし、今日は寝て、また明日続きをお話ししましょう。
ちぇーっ!今持ってるポジションの利益確定に早速役立てようと思ってたのに…!
もう遅いですし寝ましょ。
ほら、寝ますよ!
ほら、寝ますよ!
はい…あれ…?え、え?(まさか一緒にかな?一緒に寝るのかな!?)
どうしました?
ほら…歯も磨いて。(ダンディ―ボイス)
ほら…歯も磨いて。(ダンディ―ボイス)
(ひっ、ひぃ!冒頭のこと今思い出した!!)
あ、なんか今日は臥薪嘗胆したい気分なので納屋の薪の上で寝まっす!
おおおおおおおやすみなさい!
あ、なんか今日は臥薪嘗胆したい気分なので納屋の薪の上で寝まっす!
おおおおおおおやすみなさい!
(一人で何の勘違いをしてるんだろうか…?)
おしまい