寺子屋チャートコラム 禅之八 MACD篇

瞬くん
あー、お腹がぐるぐるするぅ…。
小次郎講師
道に落ちてる落雁でも拾って食べました?
瞬くん
(道端にぽろっと落雁落ちてるってどんな状況だよ…)
違います。お堂でお昼寝していて起きたら急に冷え込んでて…。あたた。
小次郎講師
お腹出して寝てましたもんねぇ。もう涼しい季節になったんですからダメですよ気をつけなきゃ。
瞬くん
くっ…ぽんぽん出してたことが悔やまれる…。
それよりも、見てたならそっと優しく布団を掛けてくれてもいいじゃないですか!!
小次郎講師
(えぇっ…お母さんじゃないんだから…。)
瞬くん
たたた…。ぽんぽんの恨みは…重いぞ…!
小次郎講師
甘えなさんな!!
瞬くん
ヒィッ!
小次郎講師
それよりも、神聖な神の御前であるお堂で昼寝していた大罪、万死に値する。
悔い改めよ。
瞬くん
(もうなんか色々な宗派が入り乱れてて筆者の知識のいい加減さが露呈してるなぁ…)

MACD後編

小次郎講師
さて、それでは前回の続きでMACDの最終章といきましょうか。
瞬くん
残る関門は「ヒストグラム」っすね!

小次郎講師
上の図だと赤い縦に伸びてる棒状のものがヒストグラムです。棒グラフですが、他のものと同様に「線」と思ってもらって構いません。
瞬くん
これは何を表してるんですか?
小次郎講師
それこそが今日の本題。まずは例によって計算式から見ていきましょう。

瞬くん
あら!シンプル。
小次郎講師
分かりやすいですよね。じゃあ計算式の意味はわかりますか?
瞬くん
前回までで、シグナルはマックディ線の9日移動平均だということを学んだので、マックディ線からシグナルを引いたら、その差が分かりますね!
小次郎講師
つまり2本の線の間隔ということですね。
瞬くん
あれ、この一連の流れ、なんか既視感が…。
デジャヴ!
小次郎講師
え?デジャヴ!?
瞬くん
そうだ!(電球マークで閃く)
まさにこれ、マックディ線と同じ流れじゃないすか!
小次郎講師
ご名答!よく分かりましたね。
瞬くん
2本の移動平均線の間隔を見てるのがマックディ線。
そのマックディ線とシグナルの間隔を見てるのがヒストグラム。
なんか移動平均線が“親”だとしたら、マックディ線が“子”でヒストグラムが“孫”みたいだなぁ。
小次郎講師
その直感はなかなか正しいかもしれませんよ。
実はMACDのオリジナルとは別に、後々開発されたMACD2というものがあって、その中にヒストグラムが入っていた。つまり後から搭載されたものなんです。
瞬くん
最初はなかったのかぁ。
小次郎講師
マックディ線とシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスは2本の移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスよりも早く出現する、というのは前回までに学びました。
瞬くん
「先行性がある」ってやつですよね。
小次郎講師
ということは、その通常より「早い」マックディ線とシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスをさらに先に知りたくなるのが人間の性(さが)。いや、ここでは寺子屋っぽく「業(ごう)」と言っておきましょうか。
瞬くん
業=カルマ!
小次郎講師
ヒストグラムの幅を見ていればこの先マックディ線とシグナルが交差しそうかどうかが分かるんです!

瞬くん
確かに上のチャートを見るとヒストグラムの幅が最大→小になった後マックディ線とシグナルがクロスしてますね。
小次郎講師
そしてヒストグラムが0になると、マックディ線とシグナルがゴールデンクロス・デッドクロスしたということ。これは「2本の移動平均線とマックディ線の関係」と全く同じですね。
瞬くん
あれ?そうすると無限にその関係性が構築できる気が…。
ヒストグラムの動きに9日移動平均線をつけて、その間隔を見る新しいヒストグラムのようなものを付けたら、さらに先読みができて…の繰り返し!
マトリョーシカみたい!
小次郎講師
まぁ確かにそれは考えますよね。でも、ヒストグラムの上下だけでも結構ダマシが多いんですよ。先読みできる、ってことはそれだけちょっとした価格変動で動くわけですから、当然ダマシも多くなる。上のチャートでもちょこちょこ動いてますでしょう。
だから、ヒストグラムより先行性のある指標を開発したら、もうダマシだらけになっちゃうんです!
瞬くん
なるほど。それじゃあ使えませんね…。
小次郎講師
そういう訳で、ヒストグラムが0に向かって動き出したな、と思ったらそれだけを売買サインにして買ったり売ったりするのではなく、トレンド転換の予兆を先に感じ取るツールだと思えば非常に使えるツールとなるんです!
瞬くん
ワンテンポ早く仕掛けたいって時に力を発揮しそうですね。
小次郎講師
ヒストグラムの小動きを見るのではなく、大きな山を捉えるイメージ
山が大きければ大きいほどしっかりとしたトレンドということですからね。

小次郎講師
上の図にもあるように、価格変動の中で起こる順番としては
① ヒストグラムの天井打ち(ピークアウト)・底打ち(ボトムアウト)

② マックディ線とシグナルのクロス

③ 12日指数平滑移動平均線と26日指数平滑移動平均線のクロス
という順番です。
瞬くん
サインの意味合いとしては①でトレンド転換の予兆を感じ取り、②で実際に仕掛け、③で仕掛けたタイミングが合っていたことの裏付けを取るといったイメージでしょうか!?
小次郎講師
その通り。そして以下のような名言が出来上がります。

 

 

瞬くん
(自分で名言って言っちゃうと、なんかもう…)

小次郎講師
MACDを使うときは下のその部分を見るだけでなく、
上のチャートの2本の指数平滑移動平均線も併せて見ることをお忘れ無く。
大事なことだからもう一度言いますよ。
「MACDは5つの線で分析すべし!」
以上でMACDの解説は終了となります。
瞬くん
あざっす!分かりゃした!
これで僕もMACDマスターですね。ふっふふん♪
小次郎講師
(すぐ驕るからなぁこの子は…)
いいですか瞬くん。「分かってる」と「きちんと使いこなせてる」じゃ大違い。
今回で掴んだ本質を繰り返し繰り返しチャートで確認して、自分のものにしていくことを肝に命じてくださいね。
それが「学ぶ」ということです。
瞬くん
当たり前っす!小次郎講師の弟子の名に恥じぬよう研鑽を重ねていくっす!
小次郎講師
じゃあ、まずやることは何ですか?
(当然過去のチャートでMACDの有用性を検証するプラクティスを…)
瞬くん
え?お腹痛いんでもう寝よっかなぁって。
小次郎講師
(ダメだこりゃ…)

おしまい

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