寺子屋チャートコラム 禅之十四 ストキャス篇

瞬くん
小次郎講師。先ほどお見えになった……が、すぐm…
すぴーすぴー…
小次郎講師
どうしました瞬くん!?
瞬くん
あぁっ!
…立って寝ちゃってました。
小次郎講師
寝不足ですか?
まさか楽しいからって夜中じゅうFXの取引をしてて寝不足、
なんてことじゃないでしょうね?
瞬くん
ち、違いますよ!
昨日の夜中に起きてお手洗いに立ったら、
あの……見ちゃったんですよ…
小次郎講師
見たって、何をですか?
瞬くん
お・ば・け、ですよぅ…ひぃぃ…
小次郎講師
うーん、まぁお寺ですしねぇ。
瞬くん
なんか廊下の窓から見えた寺務所の方で、黒い大きな影がモゴモゴ動いてるのが見えちゃって…!そこから怖くてなかなか寝付けなかったんですよ。
小次郎講師
故に寝不足、と…。
いいですか?睡眠時に記憶は整理されて海馬に定着するんです。
だからどれだけ投資のことを勉強してもきちんと質の良い睡眠を取らなければ
学んだことを活かせないんですよ?
瞬くん
そうは言ってもおばけがいたんですもん!
うひー!だか、あー!だとか奇声もあげてましたし!怖かったですよ。
あースマホで写真でも撮れば良かった。
小次郎講師
(…ん?奇声??)
ま、まぁ昔は心霊写真もよくテレビで見ましたが、今のデジタル世代になってからは、そういう番組もとんと見なくなりましたからね。フィルムにしか映らない、って考えればおばけも可愛いもんじゃないですか。
瞬くん
可愛くなんかないっすよ!
あー怖い&眠い…
小次郎講師
ほらシャキッとして!
投資と一緒ですよ。
投資における”予想”のようなそんな目に見えない、あるかどうか定かでないものに縋らないで、
目に見える確かなチャートというものを頼りに、
先の見えない相場をどうにか解明する、その為に勉強しましょうよ!
瞬くん
ふぁ〜い。
小次郎講師
今日はオシレーターシリーズ継続で
RSIと双璧を成す「ストキャスティクス」を解析していきますよ!
瞬くん
(あれ、なんだろ?小次郎講師、急に饒舌になりだしたな…)

ストキャスティクス概要

小次郎講師
ストキャスティクスは1950年代にアメリカのアナリスト、ジョージ・レーン氏が開発したテクニカル指標で、正式名称は「Stochastic oscillator」と言います。
瞬くん
略して“ストキャス”なんて言われることが多いですよね。
小次郎講師
そうですね。意味は「確率に基づくオシレーター」です。
実際のチャートで見てみましょう。
オシレーター系の指標なので、チャートの下に別枠で表示されています。

瞬くん
この前学んだ「RSI」と同じようなデザインですね!
小次郎講師
オシレーター系の指標は総じて振幅を表しますから、
似たような形をしていることが多いです。
瞬くん
RSIに似てるんなら、じゃあもう習得したも同然っすね!
ストキャス恐るるに足らず。
小次郎講師
(ホント瞬くんの根拠もない自信はどこから来るんだろう…)
いいですか。そう思ってる投資家が確かに世の中には多いんですが、
「RSI」と「ストキャス」は似て非なるものなんです。
瞬くん
そりゃまぁ、そうっすよ。
だってわざわざ別に存在するわけですし。
そのくらい僕だって 笑
小次郎講師
(きー!!腹立ってきた!!
お、落ち着くんです私…!)
ど・こ・が・違・う・か・わ・か・り・ま・す・か…?
瞬くん
えーと、
あ!まず線が多い!RSIは1本でしたもんね。
小次郎講師
正解。他には??
瞬くん
ほ、他!?
えーと…色とりどり…
小次郎講師
そりゃ設定の問題!!
瞬くん
てへへ。
小次郎講師
これは瞬くんみたいによくある現象なんですけど、
RSIとストキャスを混同されてる方が多いんですよ。
そこでいつも通り、ストキャスの計算式から見ていきましょう。
瞬くん
待ってました計算式!

ストキャスの計算式を覚える

小次郎講師
どうですか?簡単でしょう?
瞬くん
CとかLとかのアルファベット×数式が出てくると
もう蕁麻疹が…!(ブツブツ)
小次郎講師
そんなことありませんよ。
解説を聞くと実はとても簡単な計算式で成り立っているということがお分かり頂けると思いますよ。

ストキャスの計算式の意味

小次郎講師
ストキャスの主役は「%K」ですのでその解説からいきましょう。
Cというのが現在値
Lnというのは過去一定期間(n日)の最安値。LowのLですね。
Hnというのは過去一定期間(n日)の最高値。HighのHです。
瞬くん
つまり…?
小次郎講師
つまり、過去何日間の値幅の中で、現在の値段が相対的にどうか(下から何%か)ということを表しているだけなんです!
図で見ると分かりやすいですね。

瞬くん
あぁっ!分かりやすい!
またしても×100してるのはRSIの時と同じく%で表す為なんですね。
小次郎講師
その通りです。
仮に10日間だとすると、10日間の最高値と最安値の中で今が下から80%のところに価格が位置していたら、
ストキャスの数値はそのまま80ということになるんです!
瞬くん
それがストキャスの計算式の意味なんですねぇ。

ストキャスの計算式はどこを見ているのか

小次郎講師
計算式をさらに分解して見ていくと
C―Lnというのは「現在の値段とある期間の最安値の比較」
Hn―Lnというのは「ある期間の最高値と最安値の幅」
ということになります。
瞬くん
そのn日間の中で今の値段はどのくらい高い(安い)かを見ているわけですもんね。
小次郎講師
じゃあここで一つ確認問題です。
下の図のように5日間の中でそれぞれのような値動きがあったとすると、
現在の%Kはいくつになるでしょうか!?
瞬くん
いきなりの試練…!

瞬くん
えーと、Aの場合は5日間の値動きの中で現在の価格が一番低い、
つまり下から0%だから
%Kは0?
小次郎講師
正解!
瞬くん
同じ理由でCは5日間の中で最高値を付けているから
下から100%のところで100!
小次郎講師
その通りです。
ではBはどうですか?
瞬くん
100円と200円のちょうど真ん中の150円だから50%?
一応計算式でも確認しておくと
(150―100)÷(200―100)×100
=50÷100×100
=0.5×100
=50

で%Kはやっぱり50だ!

小次郎講師
素晴らしい!
これが%Kの考え方です。
そして計算式のところに書いてあったように
%Dというのは%Kの数値を3日平均しただけのものですし、
S%Dは%Dのさらに3日平均だから、全然難しくないでしょう?
瞬くん
3日平均の3日平均だから、S%Dは数値の変動が緩やかそう。
S%D(スローパーセントディー)の名前の通り”スロー”ですね。
小次郎講師
余談ですが、S%Dが100を付けるということは
9日間100が続くということではなく

小次郎講師
こういうことですね。
瞬くん
頭の体操みたい。

ストキャスの買いシグナル・売りシグナル

瞬くん
あ、小次郎講師!
今たまたま見てたら、ネットに
「ストキャスは80%以上は買われ過ぎだから”売りサイン”
20%以下だったら売られ過ぎだから”買いサイン”」
とありますよ!
なぁんだ、サインこれだけだったら簡単ですね!
小次郎講師
ストップストップ!!
はぁ…。
RSIの時も同じようなこと言ったじゃないですか!
ネットの正しくない知識を鵜呑みにしちゃいけませんって!
瞬くん
えぇ!?そうでしたっけ??
小次郎講師
(成長が見られない…)
いいですか、本質を捉えてないから誤った売買サインでも盲目に信じてしまうんですよ。
本質を理解したら今瞬くんの言ったことがいかに不確かか分かりますよ。
瞬くん
またしても売買サインにだけ飛びついてしまった…!
小次郎講師
RSIの時と比較してみますが、
RSIはオシレーター系の指標として100や0をつけることはよくありましたか?
瞬くん
うーんと、RSIは確か「全体の値動きの中でどれだけ合計で上昇したか」
を表す指標だったので、
14日間だったら14日の中で毎日上昇or毎日下降じゃない限り100や0を付けないって話でしたよね?
小次郎講師
ではそれと比べてストキャスの方はどうですか?
瞬くん
ストキャスは現在の値位置が値動きゾーンの中で下からどれかくらいを表しているから…
…あっ!!
小次郎講師
気づきましたか?
瞬くん
今がたまたま最高値を更新していたら、100になっちゃいますよ!!
小次郎講師
そうなんです。
それと反対に現在の価格がとある期間の中で最安値だったら0なんです。ということは?
瞬くん
トレンドが発生していたら過去数日間の中の最高値更新なんてよくあることですから、
やすやすと100や0を付けちゃいます!!!
小次郎講師
ここがRSIとの相違点。
仮に上昇トレンドが発生していたとします。
その時高値を更新している最中%Kは当然80を超えて100近くを付けるでしょうが、瞬くんならさっき言っていた売買サインでその上昇トレンド真っ只中で”売り”たいと思いますか?
瞬くん
思いません思いません!!
だって上昇トレンドが発生してるのに!
買いですよ。
小次郎講師
ということです。
だから「80%を超えたら売りサイン」「20%を下回ったら売りサイン」なんてのは、てんで間違いなんです。
瞬くん
あわわ…。皆さんも気をつけましょう…
小次郎講師
そして、ストキャスには3本の線があると冒頭で述べましたが、
この線のうち%Kと%Dの2本を使うものを「ファストストキャス」と言い、
%DとS%Dの2本を使うものを「スローストキャス」と言います。
瞬くん
線の組み合わせで2種類あるんですね。
小次郎講師
そして巷で言われているような誤った売買サインでは
ファストの方が「%Dが80を超えたら売り、20を下回ったら買い」。
スローの方が「S%Dが80を超えたら売り、20を下回ったら買い」
というものです。
瞬くん
そしてそれは全くの誤りだと…
小次郎講師
試しにその売買サインだけで売り買いしてみたものをお見せしましょう。
まずはファストストキャスです。

小次郎講師
◯が当たり、△がどちらとも言えず、×がハズレだとしております。
瞬くん
うわー!!
散々な結果じゃないっすか!!中には大きな×の大ハズレも…
小次郎講師
そしてこちらがスローストキャス。
チャートは全く同じものです。

小次郎講師
スローの方がサインの出現は若干少ないものの…
瞬くん
少しはマシになりましたが、
こっちでも全然ダメじゃないですか!!
負けまくってます。
小次郎講師
本質を捉えてない方の解説が如何に当てにならないかお分かり頂けたでしょう。
瞬くん
その誤情報で売買して
「なぁんだ、ストキャスって使えないじゃん。」と一般的には思ってしまうと。
小次郎講師の説明を聞かなかったら自分もそう思っていたでしょうし、
まことに恥ずかしいっす…(しおしお)
小次郎講師
問題なのはテクニカル指標の方じゃなく、”使う人間の方”だというお話ですね。
瞬くん
ぐうの音も出ません…
小次郎講師
ということで、次回は小次郎講師流でそれがなぜ買いシグナルなのか・売りシグナルなのかをしっかりと学び、
とあるエッセンスでストキャスを見違えるほど使える指標にしてみせましょう。
瞬くん
ほ、ほんとですか!?こんなに失敗だらけなのに!?
小次郎講師
本質を理解していれば難しいことではありません。
上記のチャートと同じものでそれを証明させて頂きますよ。
瞬くん
さすがお師匠です!
このボロボロの結果を覆すのかぁ…
次回が早くも楽しみです!

おしまい

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