あけましておめでとうございます。

…ん？

…え？？

（親戚の子でもないのに…！）

いやね、普段から瞬くんには色々とレクチャーをしてあげてるじゃないですか。

君がその教えを有効に活用して、自分の腕で利益を獲得する。
それが何にも代えがたい、言わば“知識のお年玉”じゃないですか！？

（分かってくれたのかな？）

恥ずかしいからやめなさい！

ほら、そんな情けないこと言ってないで
新年らしく新しい指標、オシレーター系の“あの代表選手”を学びますよ！

まずトレードで良い成績上げる方法考えなさい君は…。
お金はその次です。

今日からお教えするのはRSI。
正式名称は「Relative Strength Index」。その頭文字で「RSI」です。

まぁ近いですね。「相対力指数」なんて呼ばれたりもします。
どこがどう“相対的なのか”、きちんと学べば自ずと分かってくるはずですよ。

オシレーター系指標として、このチャートの下に表示されてるのがRSI。
考案したのは前回学んだ「パラボリック」と同じでJ.W.ワイルダーさん。

基本的には相場の過熱状況を示し、買われ過ぎ、売られ過ぎが判断できるので主に逆張りトレードで使用されることが多いんです。これはRSIに限らずオシレーター系は大体そうですね。

うーん残念ながら全然違います。

そもそもの意味は「振り子」みたいな意味で、地震の震度計のように振幅を測るものと考えると分かりやすいですよ。

そうですそうです。
通常０～100とか、―100～＋100までの間で推移するものが多いですね。

とだけ書かれている本が多いのですが、それだけを信じて意味や計算式を理解せずに使うと痛い目を見るので、本質からしっかり学んでいきましょう。

一般的には70％以上が買われ過ぎ、30％以下だと売られ過ぎ、という説明があります。
それを基準とした売買を先程のNTTドコモのチャートに当てはめてみるとこう。

この部分は後で詳しくお話しましょう。

まずはお馴染み計算式から。

値上がり幅、値下がり幅とは、前日比（1本前のロウソク足と比べて）どれだけプラスになったかマイナスになったかということです。

それがプラスになってれば「値上がりした日」とカウントし、マイナスになってれば「値下がりした日」とカウントしてその合計をそれぞれ出します。

その通り。
株式なんかの窓が空く投資商品では、次の日が陰線でも前日比プラスということもよくありますからね。

もちろん14という数字は変更が可能なパラメーターですが、特別なことがない限り14を使います。でも、実はワイルダーさんが作ったテクニカル指標はほとんどが14日を標準のパラメーターとしているんですよ！

そんな気分で決めたものじゃありませんよ…
ワイルダーさんは色んな事象を研究した結果、あらゆるものに28日周期というものが存在しているとして、その半分の期間である14という数字も重要視していたんです。

(だから気持ちじゃないっちゅうに…)

では計算式の意味を一緒に考えていきましょう。
RSIの計算式は特段難しくなく、14日間の値動きを上昇と下降に分けて、
上昇分が全体の値動きの中で何％になるのかということを示したものです。
（日足以外の時間足では14本分）
最後に100をかけてるのは割った数値を％で表現するため。

その通り。そして上がった分も下がった分も全部足して、その中で上がった分が何％でしたか？ってことですから、そこがまさに“相対的”という意味なんです！

その上昇分が大きければ、相対的に見て14日の期間中は上昇の勢いの方が強かった、ということが分るんです。

じゃあ試しに例を出してみましょう。
下記のような値動きの14日間があったら、RSIはいくつになりますか？

正解！これがRSIの求め方なんです。簡単でしょう？

少し話が逸れますが、
かつてとあるテクニカルアナリストの方が、日々変化する買い方と売り方の力関係を数値でなんとか表せないかと考えました。

そこでひとつの考え方を思い付きました。
過去何日間の中で上昇した日が○日、下降した日が○日ということを計算すれば、
買い勢力の強さ、売り勢力の強さが数値で表せるんじゃないかと。

そう、実にシンプルな考えなんです。
その考えで生み出されたテクニカル指標が「サイコロジカルライン」というもの。
「psychological（心理的な）」なんてものものしい名前が付けられてますが、計算式は至って単純なんです。

まさしく。
ただこれは少しシンプル過ぎて、売りと買いの勢力を測る指標ではあるものの、
例外も多いんです。
例えば9日間毎日100円ずつ上がって10日目に1000円下落したとします。
そうすると結果的にその10日間の値動きが−100円、ということになるものの
サイコロジカルライン的には90％という買い方優勢の結果になってしまうんです！

そこで、何日上がった何日下がっただけではなく、値幅のことも考えようってことで
その期間内に合計してどのくらい上がったか、合計してどのくらい下がったかで買い方と売り方の力関係を出した方が、正確なのではということになりました。
それで生まれたのがRSI。

ありますあります。
例えば合計の上昇分が1000円で下降分が1000円だったら、
1000÷2000×100で50％。
つまり上昇分が全体の値動きの半分ってことですから、
売りと買いが拮抗していたら50％という数値を付けることになります。

ここで私が声を大にして言いたいことは、
RSIのよく見る売買サインの説明は

というものですが、厳密には

なだけであって

それが＝買いサイン、売りサインとはならないということ！！

それは悲しきことに、計算式も良く知らない人が分かりやすさだけを求めて適当に説明をしているからなんです。

例えばこのRSIを見てください。
これを見ても買いサイン・売りサインとしてそのまま使おうと思えますか？

そう、“たまたま”上手くいくこともあるんです。
でも本質を捉えていない知識だけで安直にそれを売買サインとしてしまうと、このように大失敗することもあるんです！

そういった適当な言説を淘汰したいという気持ちがあるのですが、この業界を根本から覆すというのはまだまだ難しいので、
せめて私の教えを知った人たちだけにはそういう間違いを信じて失敗して欲しくないと思います。

そんな大層なものでもありませんよ 笑
正確な知識を身につけて頂くためにも、次章でRSIの買われ過ぎと売られ過ぎの状況をシミュレーションして、それが「買われ過ぎだから売りサイン」「売られ過ぎだから買いサイン」と安易にならない理由をお教えしましょう。

じゃあ、なぜそう単純に行かないか、それを考える時間を次回までの期間としましょう。
この“自分で考える力”を養成する時間もまた、私からのお年玉…

これも、愛、ですよ。