前回からパラボリックを学び始めたんですが、パラボリックって“声に出して読みたい日本語”ですよねぇ。…あれ、そんな本ありましたよね!?
(パラボリックは英語ですけどね…)
なんだかメタボリックみたい。メタボ。
確かに。
パラボ。パラボパラボ!
もう!若者はすぐ略すんですから!
あとはあれにも似てますね。パラジクロロベンゼン。
え!?なに、呪文?
違いますよ!笑
中学の頃に化学で習ったじゃないですか。ベンゼンの二塩化物。ほら、防虫剤とかトイレの消臭剤に使われる物質ですよ!
中学の頃に化学で習ったじゃないですか。ベンゼンの二塩化物。ほら、防虫剤とかトイレの消臭剤に使われる物質ですよ!
チャート分析の知識は曖昧なのに、どうでもいいことはよく覚えてるんだよなぁ瞬くん…
パラボリックおさらい
パラボリックのチャートのおさらいをしておきましょう。
これは前回見たものと同じチャートですね。
復習として、
パラボリックの点(SAR)が価格の下に描かれている時が上昇トレンド時、
パラボリックの点が価格の上の描かれている時が下降トレンド時、
そしてそのSARが価格とぶつかったら上下反対側に描かれ始める。
そのぶつかった時が売買サインとなります。
パラボリックの点(SAR)が価格の下に描かれている時が上昇トレンド時、
パラボリックの点が価格の上の描かれている時が下降トレンド時、
そしてそのSARが価格とぶつかったら上下反対側に描かれ始める。
そのぶつかった時が売買サインとなります。
点々が上下に入れ替わったら、トレンドが変わったよというサインだと。
主に手じまいで効果を発揮するんですよね!
主に手じまいで効果を発揮するんですよね!
はい。でも、なぜそうなのかの理由を知らないとテクニカル指標は使いこなせません。
そうでした。
なぜこのSARの点々は…あーもう、煩わしいのでさっき瞬くんが言ってた「パラボ」を採用しましょうこの際。
背に腹は変えられない!
分かり易ければ名前は何でもいいんです。
なぜこのパラボは価格と距離を保っているのか、なぜそれが価格とくっついたり離れたりするのか、なぜ価格とぶつかったらトレンド転換のサインなのか、このあたりの理由も含めて一緒に見ていきましょう。
なぜこのパラボは価格と距離を保っているのか、なぜそれが価格とくっついたり離れたりするのか、なぜ価格とぶつかったらトレンド転換のサインなのか、このあたりの理由も含めて一緒に見ていきましょう。
パラボリックの描き方
パラボは端的に言えば、価格の上昇・下降に合わせて適切な距離を自動追尾で保って付いてきてくれる優秀なトレイリングストップくんです。
前回学んだ「トレイリングストップ」ですね。
そして、小次郎講師流ではやはり計算式から。
式は前回教えてもらいました!
…けれど、じゃあこのパラボの点々を自分で打てと言われると
まだ良くわからないっすね。
…けれど、じゃあこのパラボの点々を自分で打てと言われると
まだ良くわからないっすね。
では、尚更もう一度式を見て見ましょうか。
あれ?もし仮に上昇トレンドが始まる日を初日だとすると、「前日のSAR(パラボ)」はどこを見るんですか?
それまであった下降の、上側に描かれているパラボの点じゃ、その後の数値と全然違ってきてしまいそうですし…
それまであった下降の、上側に描かれているパラボの点じゃ、その後の数値と全然違ってきてしまいそうですし…
そうなんです。トレンドの始まりの時は必ずそうなるので、
上昇トレンドの時に書き始めるとすると、
その場合の前日のパラボは、その前にあった下降トレンドの最安値を前日のパラボとして代用する決まりなんです。
上昇トレンドの時に書き始めるとすると、
その場合の前日のパラボは、その前にあった下降トレンドの最安値を前日のパラボとして代用する決まりなんです。
あ、確かに、パラボがぶつかった場所とその価格は近いですもんね。
交わった、ってことですから。
交わった、ってことですから。
下降はその逆。前日のパラボ=その前にあった上昇トレンドの最高値、で代用します。
そしてEPは上昇トレンドだったら最高値、下降トレンドだったら最安値、でしたよね。これは分かりやすい。
まさに今トレンドが転換し新たなトレンド(仮に上昇)がスタートしたとすると、上記の式は
直前の下降トレンドの最安値+AFの0.02×(現在の上昇トレンドの最高値―直前の下降トレンドの最安値)
となります。
直前の下降トレンドの最安値+AFの0.02×(現在の上昇トレンドの最高値―直前の下降トレンドの最安値)
となります。
結局のところ、点を打つ位置は前日のパラボ+αと考えると分かりやすいんでしょうか?
そうですね。初日以外は、その時点での最高値と前日のパラボの差を出し、それに0.02~0.2のEPをかけたもの=αを前日のパラボに足していくだけなんです。
こういうのは文字だけでなく、具体的な数字を当てはめて考えてみると分かりやすいですよ。
こういうのは文字だけでなく、具体的な数字を当てはめて考えてみると分かりやすいですよ。
わ!イメージしやすくなりました!
となると残る曲者はこのAFだけですね。
となると残る曲者はこのAFだけですね。
AFをもう一度説明すると、
0.02からスタートして、最高値が更新されるたびに0.02ずつ増えていく。(つまり更新されなかったら増えない)
けれど最大は0.2。そこまでいったらそれ以上は増えない、という性質ですね。
0.02からスタートして、最高値が更新されるたびに0.02ずつ増えていく。(つまり更新されなかったら増えない)
けれど最大は0.2。そこまでいったらそれ以上は増えない、という性質ですね。
ここまでは前回聞いたものと同じです。
少し難しいのでシンプルに考えましょう!
増える、と考えるから難しいのです。試しにこれを0.2で固定してみると、他の情報に惑わされず本質が見えるかもしれませんよ。
増える、と考えるから難しいのです。試しにこれを0.2で固定してみると、他の情報に惑わされず本質が見えるかもしれませんよ。
確かに!トレンドが継続して高値・安値が更新していけば、いずれずっと0.2固定になるわけですもんね。
この際難しい言葉も変換してしまいましょう!
そうすればパラボリックの式もこのように言い換えることができます。
そうすればパラボリックの式もこのように言い換えることができます。
わ!一気にシンプルスタイルになった!
でもお師匠さん、そんなに簡単にしてしまって良いんですか!?
でもお師匠さん、そんなに簡単にしてしまって良いんですか!?
良いんです良いんです。言い換えているだけで、示していることは同じですから。
難しい用語だけで敬遠してしまうより100倍良いのです。
難しい用語だけで敬遠してしまうより100倍良いのです。
取っつきやすいなぁ。
現在、仮に上昇トレンドがあったとすると、今日のパラボは前日のパラボに+αが足されていくので、
上昇トレンド時には価格の下で支えるように推移するパラボの点がちょっとずつ上昇していくってことは分かりますね?
上昇トレンド時には価格の下で支えるように推移するパラボの点がちょっとずつ上昇していくってことは分かりますね?
ガッテン!ガッテン!
だって前日のパラボにいくら足すかだけの問題ですもんね。
だって前日のパラボにいくら足すかだけの問題ですもんね。
そして、パラボの点はじわじわ上昇するのに、もしトレンドは継続してるものの最高値がなかなか更新されない日々が続いたら、どうなると思います?
え!?最高値が更新されないってことは、上昇トレンドだったら、価格のロウソク足は同じくらいの位置に停滞してる、もしくは下がってきてるのに、パラボはじわじわ積み重なって上がってくるってことだから、いずれぶつかっちゃう!
で、パラボの点とロウソク足がぶつかると?
あ!トレンド転換だ!
そう、そういうことです。
つまり毎日
つまり毎日
これだけ上がるわけですから、言い換えれば最高値が更新されないとそれだけ差が詰まると言えるわけです。
仮に0.2でAFを固定したとすると、「最高値−前日のパラボ」分の2割ずつ(×0.2なので)上昇するということになります。
仮に0.2でAFを固定したとすると、「最高値−前日のパラボ」分の2割ずつ(×0.2なので)上昇するということになります。
=2割ずつロウソク足とパラボの点々が詰まってくる、と。
そしてその差はいずれなくなり、少しの下げでも価格がパラボにぶつかってしまうんです。そこが手じまいポイント。上昇の勢いがなくなってるってことですからね。
そっかぁ。じっくり考えるとそういうことになるんですね…。
あれ、でもお師匠!トレンドがある程度勢いを持ってたらどんどん高値を更新していくかもしれませんから、その場合は差が詰まるかどうかは分かりませんよね??
あれ、でもお師匠!トレンドがある程度勢いを持ってたらどんどん高値を更新していくかもしれませんから、その場合は差が詰まるかどうかは分かりませんよね??
その通り。もし高値が更新されなかった場合は2割分パラボと最高値の差が縮まるということは、裏を返せば前日のパラボと最高値の差が2割以上上昇すれば両者の間隔は広がっていくのです。
ふむふむ!間隔が広がると、トレンドの勢いが増してるってことで安心っすね。
では、縮まる・広がるとありますが、その間隔の“標準”ってどのくらいだと思います?
標準なんてあるんすか!?
だって毎日変化するから、標準も何もないと思いますが…
だって毎日変化するから、標準も何もないと思いますが…
そんなことはありませんよ。
何にでも標準というものは存在するんです。
では、例として先ほど使った1000円というものを基準にして、毎日価格が10円ずつ上がっていく安定上昇のケースを想定してみましょう。
(最高値は1080円スタート AFはわかりやすく0.2で固定)
何にでも標準というものは存在するんです。
では、例として先ほど使った1000円というものを基準にして、毎日価格が10円ずつ上がっていく安定上昇のケースを想定してみましょう。
(最高値は1080円スタート AFはわかりやすく0.2で固定)
あれ、ある時期から黄色の列の数値が一定になっているような…
気づきましたか?
「最高値−パラボ」の間隔が次第に50円になっていってますよね。
「最高値−パラボ」の間隔が次第に50円になっていってますよね。
え!?なんでなんで??
慌てない慌てない。
一休み一休み。
一休み一休み。
(昔の一休さんのアニメだこれ)
価格は毎日10円ずつ上がってるものの、パラボは2割ずつ差を縮めてくるので、
段々最高値とパラボの差は縮まってきます。しかし、安定上昇幅の5倍の差である50円まで来ると、そこからはもう最高値とパラボの差は縮まらなくなる。
段々最高値とパラボの差は縮まってきます。しかし、安定上昇幅の5倍の差である50円まで来ると、そこからはもう最高値とパラボの差は縮まらなくなる。
そこが不思議です。
何も不思議なことはありませんよ。
5倍というのは今回の10円ずつ上がるケースでは50円。最高値とパラボの差が50円になると、翌日の上昇分は+50円の2割で、+10円。
でも価格も同時に10円ずつ上がってるわけですから…??
5倍というのは今回の10円ずつ上がるケースでは50円。最高値とパラボの差が50円になると、翌日の上昇分は+50円の2割で、+10円。
でも価格も同時に10円ずつ上がってるわけですから…??
プラスマイナスゼロだ!
正解!そういうわけで一度この差になると、安定上昇が終わるまで間隔は変わらなくなるんです。
へぇ!目から鱗!
つまり、「最高値とパラボの差は安定上昇幅の5倍が標準」と言えますね。
10円ずつ安定上昇する相場では50円、50円ずつ安定上昇する相場では250円、100円ずつ安定上昇する相場では500円というのが、最高値とパラボの点の差の標準値ってことですね。
そして相場が勢いを失い、パラボとぶつかったところで手じまい…というところから冒頭のトレイリングストップの話につながっていくのです!
すごい伏線!
まさにこの段々価格に近づいていき、交わったところで手じまい、という動きこそがトレイリングストップのそれですよね。
通常のトレイリングストップは機械的に〇〇円幅だけ上昇下降に追尾してロスカットラインを移動させる、というものでした。
そうです、その進化系がパラボリック。
パラボリックの場合は安定上昇・下降幅の5倍のところにロスカットラインを置く、ととりあえず考えておけばOKです。(次回ここを詳しくお話しします)
その上で小次郎講師流の学習ルール5か条を見てみましょう。
パラボリックの場合は安定上昇・下降幅の5倍のところにロスカットラインを置く、ととりあえず考えておけばOKです。(次回ここを詳しくお話しします)
その上で小次郎講師流の学習ルール5か条を見てみましょう。
今日の教えを理解してから見ると、パラボリックはこう見えて来るんですねぇ。
次回はこれをさらにチューニング&グレードアップして、パラボリックを実際の相場で使いこなしていきましょう!
メタボ、とか色々言ってましたが、これはなかなか難しいテクニカル指標なので、要読み込み復習っす!!
是非皆さんもチャート上で表示して、実際の相場で確めてみてください。
ほら、瞬くんも!
ほら、瞬くんも!
え!すぐに!?もう??
こういう時こそ、一休み一休み…。
こういう時こそ、一休み一休み…。
おしまい