この記事では、一目均衡表の「遅行スパン」について掘り下げて学びます。
Youtubeの動画でも解説しているので、併せてご活用ください。
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※ 本動画では TradingView のチャートを使っています(TradingViewへのリンクはこちら)
音が出せない方は、以下の画像とテキストをご確認ください^^!
遅行線
まずは遅行線の基本的な情報を確認します。
計算式
終値を(当日を含む)26日前に描画
意味
- 26日前の価格と比較
- 26日前に買った人が「現在どういう損益か」が分かる
ポイント
遅行線を用いたチャート分析にはいくつかのポイントがあります。
- 遅行スパンが価格の上にあるのは、そのときに買った人は26日後儲かっているということ
- 遅行スパンが価格の下にあるのは、そのときに買った人は26日後損をしているということ
- 単に儲かっている損しているだけではなく、その儲けや損がどれくらいか、それが広がっているか減っているかを把握するのが大事
なぜ、「26日」か
色んな説があるようですが、「一般に買った人がどこで手じまいするか」を一目山人さんが研究したところ、平均すると26日くらいになったことから「26日」が採用されたそうです。
シグナル
- 遅行スパンが価格を上抜けると買いシグナル
- 遅行スパンが価格を下抜けると売りシグナル
遅行線の秘密
遅行スパンは「26日前の価格」と「現在の価格」を見比べています。
実は、現在の「25日移動平均線の上昇・下降」も、同じく「26日前の価格」と「現在の価格」の関係で決まります。これは、「26日前の価格」は平均の算出に用いる数値から外れ、「現在の価格」は平均の算出に用いる数値に新たに加わるからです。
ここから、次のことが分かります。
- 遅行スパンがローソク足の上にあれば25日移動平均線は上昇
- 遅行スパンがローソク足の下にあれば25日移動平均線は下降
さらに突き詰めると、次のことが分かります。
- 遅行スパンの好転とは、下落していた25日移動平均線が上昇に転じたことを示す
- 遅行スパンの逆転とは、上昇していた25日移動平均線が下降に転じたことを示す
- 25日移動平均線が横ばいということは遅行スパンが好転・逆転位置であるということを示す
つまり、遅行スパンには25日移動平均線と同じ役割があるということですね!
もうひとつの一目均衡表
遅行スパンを中心に捉えると、もうひとつの一目均衡表を分析することができます。
価格を中心としているのが普段の一目均衡表です。それに対して、遅行スパンを中心とすると、次のような一目均衡表になります。
- 遅行スパン → 価格
- 転換線 → 過去9日間の半値を26日将来にずらして描画
- 基準線 → 過去26日間の半値を26日将来にずらして描画
- ローソク足 → 終値を26日将来にずらして描画(先行スパン3と呼ぶ)
- 先行スパン1 → 基準線と転換線の半値を51日将来にずらして描画
- 先行スパン2 → 過去52日間の半値を51日将来にずらして描画
この2つの一目均衡表の違いは、短期・中期・長期の中心的な値段(半値)を現在のところに描くのか、将来に描くのかというところにあります。
現在の価格位置に描くということは、現在の値段と過去の重要な値段との比較をするというアプローチです。
一方で、将来のところに描くというのは、過去の半値に対して現在の値段がどう動いて、抵抗を受けるのか、サポートになるのかということを分析するアプローチです。
まとめ
この記事では、一目均衡表の「遅行スパン」について掘り下げてきました。
驚くほど奥が深い「遅行スパン」でしたが、YouTubeの動画では小次郎講師の細かな解説を交えながら学ぶことができるので、より理解が進むと思います。
ぜひ、動画もご覧ください^^