この記事では、以下のことを行います。
- ボリンジャーバンドの基本を解説
- ボリンジャーバンドの間違った使い方を解説
Youtubeの動画でも解説しているので、併せてご活用ください。
目次
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ボリンジャーバンドとは?正しいボリンジャーバンドの使い方
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※ 本動画では TradingView のチャートを使っています(TradingViewへのリンクはこちら)
音が出せない方は、以下の画像とテキストをご確認ください^^!
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドは世界中で最も利用されているテクニカル分析で、
アメリカの現役テクニカルアナリストであるジョン・ボリンジャー氏が考案しました。
基本形は5本の線で構成されていて売買サインの助けとなるものですが、間違えたボリンジャーバンドの使い方を解説しているサイトも少なくないんだとか‥。
小次郎講師に解説していただきましょう。
ボリンジャーバンドの構造
ボリンジャーバンドの基本形は5つの線で構成されており、真ん中の線を、ミッドバンドといいます。
ミッドバンドは単純移動平均線で、その上の線を+1シグマ、更に上の線を+2シグマ、
ミッドバンドの下の線を-1シグマ、更に下の線を-2シグマと言います。
この他にもミッドバンドと+2シグマ、-2シグマの3本の線で構成される変形や±3までの7本で構成された形もあるそうです。
それぞれの線の間隔(バンド幅)はすべて等間隔で配置されています。
作図法
より詳しく見ていきましょう。
中心線(ミッドバンド)は20日単純移動平均線です。
それぞれの標準偏差(シグマ)はミッドバンドを中心に過去20日間の終値を元に算出します。
標準偏差とはデータのばらつきの大きさを表す指数で、ばらつきが大きければ大きいほど標準偏差が大きくなっていきます。
つまりボリンジャーバンドは過去20日間の価格変動の大小を表している指標ということになります。
間違いだらけのボリンジャーバンド
しかし巷では間違えたボリンジャーバンドの解説が多いそうです。
それがこちら
このような統計学的を元にして
価格が±2σの範囲を超えた時を確率4.5%の異常事態と捉えて売買のタイミングとする
という逆張り的な考え方です。
しかしこの話はボリンジャーバンドでは大きな間違いという事だそうです。
そこで、このルールに基づいたボリンジャーバンドの検証をしていただきました。
ボリンジャーバンド検証
こちらがその検証結果。
緑の丸が±2σを抜けたとして売買を行ったタイミングです。
前半2回の売買は上手くいっているように見えますが、
その後の上げ相場の売に関しては3回連続で失敗しているのが分かりますね。
なぜこのような結果になるのでしょう。
それは±1σの間が68.3%で±2σの間が95.5%という統計が当てはまるのはそのデータが正規分布だった場合に限るからです。
正規分布とはこのように中心を頂点にして両端がなだらかに減少していくデータ分布の事です。
平均身長などのデータであれば真ん中が一番高く(一番多く)、両脇(低い方、高い方)に少しずつ減っていく正規分布のデータになります。
しかしボリンジャーバンドは20日間の終値データを元にしているので、このような正規分布のデータにはならないのでそもそも前提から間違えている事が分かりますね。
ただし、±2σを超えることが滅多にないというのも事実です。
±2σを超えて、やがて±2σの中に戻ってくるというのは事実なのですが、それを売買根拠にすると
このように±2σに戻ってきても価格も下がっているという事が起きる事もあるのです。
±2σの中に戻ると価格が戻るという事はイコールにならないという事を把握してなければいけません。
では正しく ボリンジャーバンドを使いこなすにはどうすればいいか?
そのためにはまず計算式を紐解きましょう^^
ボリンジャーバンドの計算式
ボリンジャーバンドの計算式がこちら
ミッドバンドは20日単純移動平均線です。
標準偏差は当日を含む過去20日間の終値から求めます。
標準偏差とはデータのばらつきを表す数値で
学校のテストで耳にする偏差値は標準偏差をもとに割り出しているそうです。
標準偏差の求め方
では標準偏差の計算式も解説していただきます。
2つのグループの点数データを計算してそれぞれの標準偏差を出します。
① 合計点を出す
② 合計点を10人で割り平均点を出す
③ それぞれの点数と平均点の差を出す
④ その差を2乗する
⑤ 2乗した値を合計する
⑥ ⑤をを10人で割って平均値を出す
⑦ ⑥の平方根を計算したものが標準偏差
上のグループの標準偏差は24.5となっていますので、平均の50点に24.5点を足した74.5点が偏差値60の点数になります。
このような計算をボリンジャーバンドでは当日を含む過去20日間の終値から導き出します。
ミッドバンドが単純移動平均線を使うのは、標準偏差の計算が単純平均を使うからなんですね。
これでボリンジャーバンドの計算式が理解できました^^
標準偏差が何かという事を正しく理解して、ボリンジャーバンドが価格変動の大きさをバンド幅で表したものという事がわかれば
バンド幅が狭いということは価格変動が小さい
バンド幅が広いということは価格変動が大きい
という事が理解できます。
つまりバンド幅が広くなる=相場が動き出した、と理解できればトレンド発生のタイミングを読み取る事ができるんですね。
続いて、ボリンジャーバンドをどのように読み解いていくか解説していただきましょう^^
ボリンジャーバンドに含まれる情報
ボリンジャーバンドには3つの情報が含まれているそうです。
これがボリンジャーバンドの構造で、これを元にして、仕掛け手仕舞いのポイントを決めていくのが正しいボリンジャーバンドの使い方です。
ではどのようにこれらの情報を読み取るのでしょうか。
それを知るにはまずボリンジャーバンドには3つの視点の分析があることを知る必要があります。
3つの分析
ボリンジャーバンドは3つの視点で分析出来ます。
それがコチラの3つです。
- ミッドバンド
- Bandwidthチャート
- %bチャート
海外ではボリンジャーバンドだけでなくbandwithチャートと%bチャートを使ってチャート分析をすることが多いそうで、
この3点セットを使うことによりより分かりやすくチャート分析が出来るそうです。
一つづつ解説してもらいましょう。
ミッドバンド
ミッドバンドは20日単純平均線です。
過去20日間の平均的買値(売値)を算出することで「中期トレンドの方向」が分かります。
Bandwidthチャート
この計算式によって、現在の価格に対してどれくらいのバンド幅か見ることで実際の値動きの大小を確認します。
このバンド幅が過去20日間の「ボラティリティ」を表していますね。
%bチャート
こちらの式は過去に解説していただいたストキャスティクスの計算式と似ていますね。
ストキャスの計算式では過去○日間の中でどれくらいの価格なのかを%で表していますが、
値動きの大小のデータは含まれていませんので、その期間の値動きの激しさは分かりません。
そこでボリンジャーさんはストキャスティクスを進化させて%bによって「現在の価格の相対的高さ」を分かるようにしたのです。
ではそれぞれの基本が分かったところでチャートでも解説していただきます^^
チャートの見方
ミッドバンド
ミッドバンドを見ることで「上昇」「保合い」「下降」の3つにチャートを分類します。
- ローソク足がミッドバンドの上にあるときは上昇トレンド
- ローソク足がミッドバンドの下にあるときは下降トレンド
- ローソク足がミッドバンドに何回もクロスする時は保合い
これで中期のおおまかなトレンド分析をします。
Bandwidthチャート
- バンド幅が前後に比べて大きい=ボージ
- バンド幅が前後に比べて小さい=スクイーズ
Bandwidthチャートではこの2つに注目します。
このボージとスクイーズはトレンドの転換点を示し、スクイーズがトレンド発生のサインでボージがトレンド終了を教えてくれるサインになりやすいそうです。
トレンド発生のサインであるスクイーズの後にバンドの広がりを確認して、価格がバンド上限にタッチしたら買い、バンド下限にタッチしたら売りという仕掛けポイントになるそうです。
また過去6ヶ月で最小のスクイーズの後には大きなトレンドが発生しやすいという事も覚えておきましょう。
%bチャート
%bチャートはバンド幅の中のどれくらいの位置にいるかを示しています。
%bチャートはストキャスティクスと違い0~100の範囲を超えることもありますが
基本的にはストキャスと同じく相対的な価格の高さを表していますね。
そして%bの話で重要なのがバンドウォークです。
バンドウォークとは安定して長続きするトレンドパターンの事です。
このバンドウォークが一番おいしいポイントになり、バンドウォークの終わりはミッドバンドと価格がクロスしたところになるそうです。
では、これら3つのチャートを組み合わせてどのような分析ができるのでしょうか。
ボリンジャーバンド極意書
小次郎講師にはこの3つの分析をまとめた極意書を用意していただきました。
それがコチラ
これはミッドバンドの動きとバンド幅の広がり方からチャートを全部で9通りの動きに分類して分析したものです。
ミッドバンドの動きには上昇期・もみ合い期・下落期があり、
その中にそれぞれ、バンド幅が広がる時期・横ばい時期・狭まる時期がありますね。
この9通りの動きの中で小次郎講師が重要と言うのがこの3つ
- ①から②への動き
- ⑦から⑧への動き
- ⑥
①から②へ動く時は上昇トレンドの初期にあったバンド幅の拡大が横ばいになり落ち着いている状況です。
つまり良いトレンドが続いている安定上昇という状況になります。
同様に⑦から⑧への動きも安定下降が続いている状況になります。
そして⑥はもみ合い期の終わるタイミングをバンド幅の縮小によって読み取ることが出来るのでこれらの3つが重要な仕掛けのポイントになるというわけなんですね。
さらにボリンジャーバンドにはもう一つの観点「%b」があります。
&bを付け足したのがこちらの極意書です。
%bは現在の価格が、過去の価格の中でどれくらい高いか安いかを見ることが出来ました。
それを天才ゾーン~変人ゾーンまでの6種類に分類して付け足したのがこの極意書です。
先程までの9通りに6種類が掛け合わされて、全部で54通りになったので更に細かい分析が出来るようになっていますね。
まとめ
このようにボリンジャーバンドはとても細かい分析が出来るテクニカル指標なんですね。
オシレーター系の指標を使う人には価格変動に注目するボリンジャーバンドを使うことが非常に有意義だという事もお分かりいただけたでしょうか?
Youtubeの動画内ではより詳しい解説をしていただいてますので、そちらもぜひ御覧ください^^
それでは、次回の動画もお楽しみに~!