注目チャート99|横河電機(6841)

皆さんこんにちは。

「平成」が終わり「令和」の時代が始まりましたね。
天皇の崩御ではなく退位による改元でしたので、
歓迎ムードとお祝いムード一色だったように感じます。

そんなお祝いムードのまま、新時代を迎え10連休が終わりました。
しかし、トランプ米大統領が中国に対して関税強化策を打ち出したことで
市場のムードが一転し、リスク回避の展開となってきています。

ウォール街に「Sell in May」という相場格言があります。
この言葉には続きがあり、「Sell in May, and go away」
これは、5月に(株を)売り逃げろ、という意味です。

そして、「don’t come back until St Leger day.」と続きます。
これは、9月の第2土曜日までは戻ってくるな、という意味です。
St Leger dayとは毎年9月の第2土曜日に開催される
イギリスの競馬レースの名前です。

果たして格言通りの動きとなるのでしょうか。

今週の注目チャートは、
この米中貿易戦争の影響を受けている企業は山のようにありますが、
その中で非常に珍しいチャート形状となっている企業のチャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)



フォーメーション分析 ~ダイヤモンドフォーメーション?~ by masao_shindo on TradingView.com

上記のチャートは、横河電機(6841)の週足チャートです。
大正時代の1920年に創業した工業計器・プロセス制御の専業メーカーで、
計測・制御機器メーカーとしては国内最大手で世界第3位のグローバル企業です。

創業者の横河民輔は建築家として知られており、
日本工業倶楽部や日本橋三越等の著名な建築物を設計しました。
製品自体が表に出る企業ではありませんので
馴染みが薄いかもしれませんが素晴らしい技術力を持った企業です。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、第1ステージではあるものの
帯を挟んで価格が推移しており高値もみ合い相場になっているのが分かります。

もみ合いがどちらに更新するかに注目しながら
短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

5月8日に2019年3月期の決算発表が行われました。

受注高が4,320億円で売上高は4,037億円、営業利益346億円、
連結経常利益が前期比10.3%増の367億円でした。
来期の20年3月期も前期比8.8%増の400億円に伸びる見通しとなっており
3期連続の増益となり良好な決算内容となりました。

国内の受注も増加していますが、とりわけ海外が伸びており、
中東、北米、インドを中心に大幅増加となりました。
売上高で見れば新興国通貨を中心に円高の影響を受けるも
中国を中心に堅調だったようです。

また、好決算を受けて前期の年間配当を30円から32円に増額し、
今期も前期比2円増の34円に増配する方針としました。

決算内容は良好ですがグローバル企業は世界情勢の影響を受けやすいため
今後の米中貿易協議や日米貿易協議の行方にも注目しておきましょう。

このチャートをどう見るか?

チャートを見ると200週EMAが綺麗な右肩上がりで、
移動平均線大循環分析でも第1ステージの上昇期となっています。

上昇期ということは「買い」にエッジ(優位性)がある状態ですので、
安心して見ていられる局面のはずですが、実はそうではありません。

なぜかというと理由は二つあります。

一つ目は大循環MACDがダイバージェンスとなっており、変化の兆しを示しているからです。
今回でいえば価格が右肩上がりとなるもMACDが右肩下がりとなり
価格とMACDの動きが逆行する現象のことです。

このダイバージェンスが出ると変化の兆しとなることが多いので注目される形状です。
二つ目はローソク足の形状が「ダイヤモンドフォーメーション」の可能性が出てきています。
このパターンは天井圏で稀に出てくる形状です。

これは高値切り上げ安値切り下げの後に、高値切り下げ安値切り上げとなる
ダイヤモンド(菱形)の形状となってから安値の支持線を下回って天井を形成し完成します。
現状は未完成ですので決め付けは厳禁ですが、注目に値するチャート形状です。

ダイヤモンドフォーメーションを完成して下落するのか、
それとも、ダイヤモンドフォーメーションではなく、
上昇相場を継続していくのかを確認しながらチャートを見ていきましょう。

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