皆さんこんにちは。
今月19日にソフトバンクグループの子会社で
携帯電話大手のソフトバンクが、東証一部に上場しました。
事前の売り出し価格が1500円で結果約2兆6千億円を調達。
上場による調達額としては、1987年にNTTが上場した時の約2兆3千億円を上回り
国内では過去最大のIPOとなりました。
しかし、話題性は十分でしたが、蓋をあければ初値が1463円と売り出し価格を割り込み、
初日の終値は1282円と厳しい船出となりました。
今月初めに起きた大規模な通信障害などの影響があったのかもしれませんが、
楽天が携帯電話市場に参入することや、総務省からの意向としての携帯料金引き下げ問題など、
将来に対する不安も強かったのかもしれませんね。
今週の注目チャートは、そのソフトバンクやNTTに挑戦状を叩きつけた
ある企業のチャートを見ていきましょう。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
「楽天」 日足 12月19日現在
上記のチャートは、「楽天」の日足チャートになります。
三木谷浩史氏が「楽天市場」というECモールを創業したのが始まりです。
現在は証券やクレジットカード等のオンライン金融事業者でもあります。
グループ会員数が9977万人とほぼすべての日本人が会員という日本を代表するECサイトの運営企業です。
社内の公用語が英語であるというのも有名な話ですよね。
この企業が、今回携帯電話事業に新規参入すると名乗りを上げました。
注目度は間違いなく高まっていますが、果たして吉と出るか凶と出るのか。
まずは、チャートのステージから見ていきましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第4ステージとなっています。
第4ステージは移動平均線大循環分析においては下降期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がればトレンドに勢いが出てきます。
また、価格が帯を挟んで推移していますので、もみ合い相場となっているのが分かります。
トレンドが発生するのかどうかを
短期移動平均線と帯の関係を見て「CHECK」していきましょう。
チャートの注目ポイント
楽天のビジネスモデルは積極的なM&Aによる事業拡大です。
それによって出来上がった巨大な楽天グループのシナジー効果が強みとなっています。
インターネットサービス、金融サービス、スポーツなどのその他の事業がグループを大きく分ける3事業となっており、
楽天はその中核企業となっています。
そして、楽天市場や楽天トラベルなどのeコマース、銀行や証券、カードなどの金融事業が収益の基盤となっています。
昨年度の決算が好調で今年度も過去最高を更新する予想となっておりましたが、
昨年6月から今年6月までの1年間の株価動向は企業行決算では説明がむずかしい下落となりました。
その背景には楽天が第4のキャリアとして
携帯電話事業に参入を決定したことが要因として挙げられます。
NTTドコモから回線を借りた格安携帯電話サービスから自前の回線を有する事業に舵を切ったことで、
基地局を含め約6000億円という巨額の設備投資が必要となるそうです。
「それにより好調な楽天の収益が食われるのではといった懸念から株価が下落した」
と見ればなるほど納得のいく推移となります。
楽天が携帯電話事業をどう展開していくかに注目しながら株価を見ていきましょう。
このチャートをどう見るか?
株価は今年の6月までは下降帯が抵抗帯として機能しながら
綺麗な下降トレンドを形成していました。
その後6月20日と22日に2度700円をつけてから株価が切り返し、流れに変化が出ました。
そこから第1ステージに移行。
一旦はトレンド転換をしたような動きとなっていましたが、
その後は上昇帯と下降帯が交互に入れ替わり、
尚且つ価格が帯を挟んで推移していますので、
高値が切り上がる右肩上がりのもみ合い相場となっています。
現在、中国や欧州の景気減速懸念などから
世界の主要株式市場は第4ステージの下降トレンドを継続しています。
その影響を受けてこの企業も下降トレンドに勢いが出てくるのか、
それとも、携帯電話事業に参戦したとして業績好調で独自に株価が持ち直すのかが焦点となりそうです。
もみ合い相場に移行しているときは
直近の高値と安値のどちらを更新するかに注目しましょう。
それと、もみ合い相場の特徴は帯の間隔が狭く横向きであることです。
その帯が緩やかに上向きとなっていることや、緩やかに下向きとなっていることなどをも
考慮することでトレードに幅が広がってきます。
そういった点に注意しながら今後の推移を見ていきましょう。