注目チャート78|日産自動車

皆さんこんにちは。

北海道や東北地方では紅葉が既に終わり落葉となっていますが、
関東や近畿地方などの一部では、今が紅葉が見どころとなっているようですね。
もみじの紅色や銀杏の黄色などが鮮やかに彩るこの季節は、
冬の到来を感じさせ少し淋しい気持ちになるところも紅葉の魅力なのでしょうか。

今月19日、世界の経済界を揺るがすショッキングなニュースが流れました。
自動車大手の日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏が、
自らの報酬を過少に申告した疑いがあるとして、
東京地検特捜部に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されました。

厳しい冬を越すために、樹は葉を落とします。
その過程で緑色の色素が無くなることで葉が紅色や黄色に染まるのは
生命の神秘の美しさを感じますが、
私利私欲を肥やすために犯罪に手を染めるのは許しがたいことです。

今週の注目チャートは、この会社で何が起きているのか?
実態解明はこれからでしょうが、まずはチャートを見ていこうと思います。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)

「日産自動車」 週足    11月22日現在

上記のチャートは、「日産自動車」の週足チャートになります。
日本産業を中核とする「日産コンツェルン」の自動車部門として
1933年に横浜を本社として創業されました。
現在は芙蓉グループの一員ですが、
元々はJXTGグループ(旧・新日鉱グループ)や日立製作所、日本水産などとコンツェルンを組んでいました。

現在はフランスのルノーと三菱自動車と共にルノー・日産・三菱アライアンスを形成しています。
2017年上半期には、
このアライアンスで世界販売台数でグループ第一位を獲得しました。
今後の展開が気になるところですが、
まずは、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第4ステージとなっています。
第4ステージは移動平均線大循環分析においては下降期です。
小次郎講師流に見れば、安定下降期で、「売り」にエッジのある状態です。
ここからの動向は、短期移動平均線と帯の関係を見て
「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

日産自動車とカルロス・ゴーン氏の出会いは、1999年3月に遡ります。
継続的な販売不振により、2兆円あまりの有利子債務を抱え
倒産寸前の経営状態に陥った時に、
フランスの自動車メーカーのルノーと資本提携を結び、日産は同社の傘下に入りました。
そして、日本人社長の塙義一氏が解任され、
ルノーの副社長であったカルロス・ゴーン氏が
新たな最高経営責任者として日産自動車に乗り込んできました。
当初は黒船来襲などといわれることもあったようですが、
「日産リバイバルプラン 」による大リストラからのV字回復は
ゴーン氏のカリスマ経営者としての地位を絶対的なものとしました。

また、同氏は事件前まではルノーの取締役会長兼CEOと三菱自動車の会長も兼任していました。

今回の事件により株価は急落しています。
週足も大きな陰線を形成しています。
筆頭株主がフランスのルノーですので、
国際的な問題に発展するのかどうかも含めて注意深く今後の展開に注目する必要がありそうです。

このチャートをどう見るか?

2000年代後半の米住宅バブル崩壊とリーマンショックを影響を受けて
かつて日産の株価は大幅下落となりました。
その後はアベノミクスなどを経て順調に回復していきましたが、
2007年の1550円台を更新することはありませんでした。
2017年はもみ合い相場の1年間となっており、
今年の夏前からチャートが悪化していたことを考慮すると、
事件を暗示させる内容が一部の人々の間で知られていたのではと
疑いたくなるようなチャートとなっています。

その真偽は分かりませんが、
チャートの形状はもみ合い下放れとなっています。

現在のチャートの形状から見た「日産自動車」の今回の事件は
非常に根が深い問題となるのかもしれません。

もみ合い下放れとなっていますので、
安易な値ごろ感で買ってはいけません。
移動平均線大循環分析において、第4ステージで買うのではなく、
第5ステージ、第6ステージ、そして第1ステージへの変化をしっかりと見ていきましょう。

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