皆さんこんにちは。
お盆休みに帰省されていた方も多かったのではないでしょうか。
それにしても暑い日々が続いていますね。
熱中症で搬送される方が後を絶たないということですから、体調管理には十分気をつけましょう。
これだけ暑いと思考能力が低下して、阿呆になりそうですね。
同じ阿呆でも「踊る阿呆に見る阿呆」といえば徳島の阿波踊りが有名ですが、
今年は主催の実行委員会と踊り手グループに対立により、
阿波踊りのフィナーレで踊られる「総おどり」と呼ばれる祭りの目玉の中止が決定しました。
ひと波乱もふた波乱もありましたが、
13日夜には、踊り手約1500人が実行委の決定に反して名物の「総踊り」を行い、
こちらは一糸乱れぬ素晴らしい踊りを披露しました。
いや、実に見事な阿波踊りでしたね。
今週の気になるチャートは、踊りというよりは
暴れているという表現が適切であろう銘柄を見ていこうと思います。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
トルコリラ 週足 8月15日現在
上記のチャートは、「トルコリラ」の週足チャートです。
5月23日号に記載しましたので、記憶にある方もいらっしゃるとは思います。
南アフリカのランド、メキシコのペソと合わせて
“新興国通貨三銃士“とも言われる高スワップ通貨のひとつです。
先週10日に「トルコショック」が起きました。
アルゼンチン、ロシア、ブラジル、南アフリカなどの新興国通貨が軒並み下落しています。
「トルコショック」の背景は何か。
今後の展開はどうなるのか。
では、まずはチャートのステージを見ていきましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第4ステージとなっています。
第4ステージは移動平均線大循環分析においては下降期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので、
トレンドに勢いがあるのが分かります。
短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。
チャートの注目ポイント
「トルコショック」の背景には、
米国経済が好調でFRB(米連邦準備制度理事会)による追加的な利上げによるドル高と、
「米国第一」を掲げるトランプ政権の不安定な外交・通商政策の両面により、
ドルが買われやすく、新興国通貨が売られ易い地合いが続いていたことが挙げられます。
そこに、トルコ側が米国人牧師を拘束したことで、
米国側がトルコに対して経済制裁を加え、
対米関係の悪化や経済危機への懸念などからトルコリラが一気に急落しました。
これがトルコ向け債権を抱える欧州や新興国通貨にも波及したことで
「トルコショック」につながりました。
また、エルドアン大統領が通貨安の影響緩和に向けた利上げには
踏み切らないとする考えを明言したことも拍車をかけました。
さらにトルコに対する新たな通商関税の導入を発表した米国に言及し
「北大西洋条約機構(NATO)の同盟国を背中から刺すのか?
こんなことが受け入れられるだろうか?」と非難しました。
今後の展開のキーポイントは、
トルコ中銀の金融政策とエルドアン大統領の言動・行動であると思われます。
そこに注目していきましょう。
このチャートをどう見るか?
トルコとイランの因縁は2年前のクーデター未遂事件にまでさかのぼります。
トルコは事件の首謀者を在米イスラム教指導者のギュレン師と断定しました。
そして、米国に対し拘束、送還要求を出しましたが米政府は応じませんでした。
今回、トルコ政府は同事件に関与したとして在トルコの米国人牧師を拘束しました。
米国側は牧師の解放を要求していますが、物別れに終わっています。
また、米国側が支援するシリア勢力の一部がトルコ内に分離しテロを繰り返しており、
これらの経緯も両国の解決を難しくしているようです。
今回のトルコリラの急落でチャートはまさに「Cカーブ」を描いて下がっています。
相場の最終局面でよく見かける動きです。
膿を出し切ってチャートが底打ちとなるのか、
この流れが暫く続くのかは確りと見ていく必要があります。
前回の時も「落ちてくるナイフは掴むな」という相場格言を記載しました。
チャート的には前回よりは底打ちが近づいているかもしれませんが、
勝手な思い込みでの値頃買いだけは厳禁です。
掲載しているチャートは週足ですが、少なくとも日足などでのステージの変化を待って
対応するように致しましょう。