注目チャート60|武田薬品工業

皆さんこんにちは。

トランプ米大統領とプーチン露大統領が、フィンランド首都ヘルシンキの大統領公邸で会談を行いました。
会談後の共同記者会見では、プーチン氏が2021年に期限を迎える米露間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長のために協議する必要性を強調しました。
冷戦後最悪と言われる首脳同士の直接対話により、両国関係が改善する契機となるか注目されましたが、
具体的な合意事項も無く、トランプ氏は「長いプロセスの始まりだ」と語ったに留まりました。
トランプ氏は「多くの重大な課題を協議した。大変建設的で有意義な会談だった」と強調しましたが、
大国同士の会談はお互いの懐に踏み込むことなく、鍔迫り合いの様相だったようですね。

今週の気になるチャートは、大物同士ではありますが、小が大を飲み込んでいった銘柄を見ていこうと思います。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


武田薬品工業 日足    7月18日現在

上記のチャートは、「武田薬品工業」の日足チャートです。
日本を代表する医薬品企業メーカーで、創業は天明元年、1781年とのことです。
世界の70か所を超える国と地域で3万人の従業員を抱えるグローバル企業です。
代々の社長は武田長兵衛を襲名し、
証券取引所に場立ちがある頃は「たけちょー」と呼ばれていたそうですので、
その名前の方がピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アイルランドの製薬企業シャイアーを約6.8兆円で買収すると発表してから
各メディアで大きく取り上げられました。
では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第6ステージとなっています。
第6ステージは移動平均線大循環分析においては上昇相場の入り口となります。
小次郎講師流に見れば、ここからトレンド転換となるのかどうかに注目です。
下降帯から上昇帯に変わるかどうかを「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

時価総額で見れば武田薬品工業はアイルランドの製薬会社シャイアーよりも小さく、
「身の丈を超す買収」とか「小が大を飲む買収」と言われています。
時価総額約4兆円のシャイアー相手に、武田薬品工業は何度も価格を引き上げられ
結果的に約6.8兆円で買収することになりました。
しかも、シャイアーが抱える約1兆5000億円の負債も引き継ぎますので、
武田薬品工業が抱える1兆1000億円の有利子負債が
一気に5兆~6兆円に増加することとなります。

まさに、大勝負というか、大きな賭けに出た買収となっており、
メディアではメリットが少ないとか、将来の株価の希薄化につながると叩かれ、
株価も長らく右肩下がりの下落となりました。

来年の2019年6月に買収の手続きが完了する予定だそうですが、
買収の動向と共に株価の変化にも注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

世界最大手製薬会社ファイザーは大型買収により成長し「ファイザーモデル」と称賛されています。
製薬会社の収益力は、新薬開発の長期化により低下の一途を辿っているそうです。
そのような製薬業界の事情から世界の大手はファイザーに倣い買収を活発化していきました。

武田薬品工業もグローバルな波に追随するように、自前での研究開発を縮小し大規模企業を買収し続ける事業構造に移行してきました。
その延長線上に今回のシャイアー買収が出てきます。
このことにより規模としてグローバル18位から、今回の買収でベスト10入りとなります。
クリストフ・ウェバー社長が積極的に行ったシャイアー買収が上手くいくかどうかは誰にもわかりません。

ただ、先月6月の株主総会ではシャイアー買収反対の株主提案が否決され、
その辺りから悪材料を織り込んだかのように株価は切り返してきました。
現在は安定下降期の第4ステージから上昇相場の入り口の第6ステージまで移行してきています。さらに帯を見ると第1ステージ目前となっています。

買収が上手くいくかどうかは今後の課題として、
相場としては底打ちすれば3分の1から半値くらいの反動が出ることが多くあります。
ステージの変化に注意しながら株価の動きを確りと見ていきましょう。

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