注目チャート55|ドイツ銀行

皆さんこんにちは。

トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、史上初となる米朝首脳会談を行いました。
シンガポールのセントーサ島カペラ・ホテルという超高級の五つ星ホテルが会場となりました。
両氏が確りと固い握手を行ったシーンは印象的でしたね。

金委員長は「過去が目と耳をふさいできた。簡単な道のりではなかった。ようやくこの日を迎えることができた」と発言していました。
期待感が高まる中、米朝共同声明に両首脳が署名し、米国が北朝鮮に「安全の保証を提供」し、
北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に対する揺るぎない約束を再確認」するという具体策の無い声明でした。
歴史的な会談だったという意見や、政治ショーを見せられただけだ、など賛否両論の会談だったようですね。

未来の歴史の教科書には、この米朝首脳会談はどのようにページを飾っていくのでしょう。
今週の気になるチャートは、芳しくない歴史を刻んでいる銘柄を見てみようと思います。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)

 

ドイツ銀行 月足    6月13日現在

上記のチャートは、NY証券取引所とドイツのフランクフルト証券取引所に上場している「ドイツ銀行」の月足チャートです。
ドイツ銀行は1870年創業のドイツ最大の商業銀行で、証券や保険も扱うメガバンクです。
世界の株式市場はリーマンショックを経てからは回復して高値更新している銘柄が多い中、
底なし沼状態の下落を続けています。

今月の小次郎講師の投資塾「実践トレードラボ」でも取り上げられましたので、
日足チャートはご覧なられた方も多いと思います。
今回はNY証券取引所に上場されている「ドイツ銀行」の月足チャートを掲載しました。
では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第4ステージとなっています。
第4ステージは移動平均線大循環分析においては安定下降期となります。
小次郎講師流に見れば、帯が傾きを持って間隔が広がっていますので、下降トレンドに勢いがあるのが分かります。
短期移動平均線と帯の関係を確りと「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

ドイツ銀行は1990年代から商業銀行業務から投資銀行業務へと主軸を移し、
アジア通貨危機の時には、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などのデリバティブ(金融派生商品)によりドイツ銀行は多大な収益を上げました。
そこからCDSが世界で急速に拡大しましたが、結果的にはこのCDSがリーマンショックのトリガーを引いたといわれています。
その後ドイツ銀行は、LIBOR等不正操作、租税回避、米国内でのサブプライムローン(住宅ローン担保証券)の不正販売、ロシアでの資金洗浄、英国での金融犯罪、等々数多の不正から制裁を受けて現在の株価に至っています。

価格を見て、チャートを見て、「安いから」といって買ってはいけません。
企業が倒産すれば、株価はゼロになります。
ついつい持ちたくなる値頃感ですが、如何に値ごろ感を持たずにチャートを見るかが注目ポイントとなります。

このチャートをどう見るか?

ドイツ銀行は過去にも何度も「ドイツ銀行ショック」到来か、といった危機が叫ばれてきました。
その背景にあるのは、ドイツ銀行が抱える金融派生商品にあります。
ドイツ銀行の評判は劇的に失墜していますが、それでも世界の金融市場において欧州最大のデリバティブプレーヤーです。
また、ドイツ銀行が抱える総エクスポージャー(価格変動に晒されている資産の割合)が48兆ドルを超えているといわれています。

さらには、米国連邦預金保険公社という銀行業界を監視する機関があります。
その機関は破産寸前の銀行をリストアップしており、そこにドイツ銀行が入っていると噂されています。
2015年から3年連続でストレステスト(金融機関の資産の健全性を調査)に不合格となっていることを考慮すれば、噂も信憑性が高くなります。

数年前から、ドイツ銀行が倒産すればリーマンショックを超える危機が到来するという声が聞かれます。
真実はわかりませんが、リスクが高い銘柄であるとこは間違いありません。
ですから、移動平均線大循環分析でステージが変化するまでは確りとウォッチしておきましょう。

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