皆さんこんにちは。
関東に最強寒波が到来し、大雪をもたらした影響で首都圏が大混乱の渦に巻き込まれました。大都市の積雪に対する弱さを露呈した出来事となりました。
備えあれば憂いなしではありませんが、普段から防災や自然災害に対する準備だけはしておく必要があると再認識させられました。
道路に雪が積もれば自動車も人も滑りやすくなるのは自然の摂理で、為替に置き換えれば通貨ペアの金利差がその通貨ペアの動きに影響を与えるも為替の摂理というのは言い過ぎでしょうか。
通常、主要国通貨ペアに関しては金利の低い通貨から金利の高い通貨に資金が流れる傾向があるので、金利の高い通貨が買われやすくなります。
ところが、スタッドレスタイヤを履いているのか、それとも滑らない靴を履いているのか、金利差に逆行している通貨ペアがあります。
今週の「S」の気になるチャートは、ある通貨ペアとその金利差を見ていこうと思います。では、チャートがどうなっているか見ていきましょう。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
ユーロドル 週足チャート 1月24日現在
上記のチャートは、「ユーロドル」の週足チャートになります。
2016年に安値を付けてから昨年は堅調に推移しました。2018年に入ってからも昨年の流れを受けて堅調に推移しているのが分かります。ユーロの買い材料とドルの売り材料の両面からユーロドルの上昇に繋がったという見方もあるようです。では、チャートの動きを確認してみましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第1ステージとなっています。第1ステージは移動平均線大循環分析においては安定上昇期となります。小次郎講師流に見れば、帯が傾きを持って間隔が広がっていますので、トレンドに勢いがあるのが分かります。チャートの形状は安心して見ていられる動きとなっています。短期移動平均線と帯との関係を「CHECK」していきましょう。
ズバリ!注目点
トランプ大統領は就任1年を迎えましたが、大統領のロシア疑惑や北朝鮮やシリアなどの地政学的リスク、直近では暫定予算の問題など、ドルが弱い動きが続いています。
本来、地政学的リスクなどはドル買い材料になり易いのですが、やはり、トランプ大統領への信頼感の低さが影響しているのかもしれません。
また、ECB(欧州中央銀行)のテーパリング(金融緩和からの出口戦略)に向かうと判断したマーケット関係者が多かったことなどもユーロ買いドル売りに繋がったと考えられます。
2018年もメルケル政権の安定期待などからもユーロ買いドル売りの流れになっています。
このままユーロ高が続くのかどうかを移動平均線大循環分析の日足チャートに注目しながらユーロドル相場を見ていきましょう。
「S」の目線
今回はユーロドルの週足チャートに「ドイツ10年債利回り-米10年債利回り」のチャートを折れ線によりオレンジ色で表記しています。
ドイツ債から米国債の利回りを引いた折れ線グラフとなり、米国債の金利の方が高いので、左側の表記はマイナスになっています。
このように見ると、2017年の後半からは「ユーロドル」の動きと「ドイツ10年債利回り-米10年債利回り」の動きが逆相関関係になっているのが分かります。
2014年を挟んでのときも現在と同じような動きを見せましたので、今回と前回のところに赤丸で印をつけました。今後の展開は金利差に合わせてユーロドルが反落するのか、それとも、ドイツ10年債利回りが米10年債利回りを上回る上昇をみせるのか、金利差にも目線を向けながらユーロドルの動向を見ていきましょう。
因みに、アメリカのシカゴマーカンタイル取引所(CME)は先物取引の取引所ですが、そこで通貨先物のファンドのポジション(シカゴIMM通貨先物ポジション)が毎週発表されます。その通貨先物のユーロのポジション内容を見ると過去最高水準の買い残枚数(ファンドの買い建てからファンドの売り建てを引いたネット枚数)となっています。
ファンドが更にユーロを買い進めるのか、それとも、そのファンドの買い残が重石となり反落するのかにも注目したいところですね。
(ライター「S」)