今週のライター「S」の気になるチャートを掲載します。
皆さん、テクニカル分析の原点といえば何を想像されますか?日本人であれば「酒田罫線法」でしょうか。
日本では江戸時代の米相場での売買法として、脈々と口頭で伝承されてきた手法です。
グローバル的な観点からみれば、「ダウ理論」における平均株価の発想が、その後のテクニカル分析が発展する原点となったといわれています。
今週は、その「ダウ理論」から二つの銘柄をチョイスしました。
基本の銘柄に移動平均線大循環分析をつけて、そこに「ある銘柄」をオレンジ色の折れ線グラフで追加しています。
このオレンジ色の線のチャートが何かわかりますか?
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
NYダウ工業株30種平均 日足チャート 6月14日現在
日本株をされている方もNYダウの値段やチャートはご覧になると思います。
また、FXをされている方も、ドル円の動向を確認するのにNYダウを無視することは出来ませんよね。
ただ、NYダウといっても、一般的にニュースでよく見るのは、「ダウ工業株30種平均」といわれるものです。
実際には「ダウ輸送株20種平均」、「ダウ公共株15種平均」、これらを合わせた「ダウ総合65種平均」があります。
上記のチャートは「ダウ工業株30種平均」の日足チャートに移動平均線大循環分析とオレンジの色で「ある銘柄」の値動きを重ねたものです。
ダウ理論の景気循環予測のバロメーターとして使われてきたものです。
ご存知の方はそんなことくらいで・・と思われるでしょうが、それはあなたがチャート分析をしっかりと勉強しているという証拠です。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージはステージ1になっています。ステージ1は移動平均線大循環分析では上昇期になります。
「ロシアゲート」疑惑だとか、トランプ大統領の弾劾とか、米政権はこの上なく不安定ではありますが、株式市場は確りと史上最高値を絡めてきています。
帯の間隔が広がって傾きが出てきているのは、小次郎講師流にいえば、トレンドに勢いがあるということです。
この勢いが続くかどうかを、ここから「CHECK」していきましょう。
ズバリ!注目点
「ある銘柄」シリーズを2週連続で掲載しましたが、
正解は「ダウ輸送株20種平均」です。
輸送株とか鉄道株といい、米国経済の血液などといわれることもあります。
ダウ理論では輸送株が先行指標になり易いとなっていますが、昨今では、時代遅れという記事も散見します。
いずれにせよ、ひとつの銘柄だけを見るのではなく、比較することにより見えてくるものがあります。
「S」は、輸送株を先行指標として見るのではなく、二つの銘柄の関係性を見ています。
一方が高値更新しても、もう一方が高値更新をしていないから、本物の上昇ではない?とか、二つとも安値更新しているから本格的に崩れる?といった具合にみています。
勿論、これだけを比較して判断しているわけではありませんよ。
ズバリ!チャートは幾つか比較せよ。そして、その変化に注目。
「S」の目線
6月13日、14日両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策では、0.25%の追加利上げは織り込み済みといわれています。
6月以降の利上げのペースがどうなるかが焦点です。
万が一、利上げが0.5%になるとか、もしくは利上げが無かった場合はサプライズになります。
IT関連株が急落してきています。米国株の四天王ともいわれるAGFA(アップル、グーグル、フェイスブック、アマゾン)などが、このまま崩れていくのか、調整は一過性となるのか、これらがNYダウに影響を与えるのか。
世界中のマーケット関係者は固唾を飲んでみています。
よって、「S」の目線はAGFAの動きに向いています。
(ライター「S」)