注目チャート292|日本電信電話(9432)

皆さんこんにちは。

円安が加速しています。

米ドル円は1ドル=161円台になっており、約37年半ぶりの円安水準となりました。

円相場をめぐっては、4月末に160円台に突入したあと
政府・日銀が円買い介入に踏み切ったとみられており、
再び160円台をつけたことで、市場関係者の間では、介入への警戒感が高まっています。

鈴木財務相は「急激な、一方的な動きは望ましくない。
必要に応じて必要な対応をとってまいります」と述べており、
市場関係者の間では、節目の160円を突破し、今後のペース次第で
介入の可能性は高まるとの見方も出ているようです。

ここで、二つの疑問が出てきます。

一つは、現在の適正な為替レートがどれくらいなのかということと、
現在の円安の影響はどれくらいあるのかということです。

まずは、適正なレートについては、リサーチ会社の調査によると、
1ドル=110円から120円台ぐらいがビジネスをしやすい適正レートといわれています。

また、現在の円安の影響はどれくらいあるのかというと、自動車など輸出企業にとっては、
円安は海外にドルで安く製品を売ることができ、株価上昇につながる側面がある一方で、
円安になると輸入食品やエネルギー価格が上昇し、家計負担は増えていきます。

ある試算では、現在の1ドル=160円だと、
年間負担が平均で9万4000円ほど増えるとも言われており、今後の為替動向に注目が集まります。

今回は日本の通信の中心にある企業に注目しましたので、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


大局のトレンド転換を読む by masao_shindo on TradingView.com

※TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「日本電信電話」の日足チャートです。

1868年、明治元年に、官営による電信事業のサービスが開始されたのが始まりです。
1952年に前身の日本電信電話公社が設立されました。

1985年日本電信電話株式会社法により日本電信電話公社を民営化し、
日本電信電話株式会社が設立されました。

現在はNTTドコモや各地域のNTTなどのグループ会社を統括する持ち株会社です。

有線通信事業、移動体通信事業、インターネット関連事業、
情報システム・情報処理事業の情報通信関係が大きく、
最近は海外での情報システム構築事業、国内の都市開発、
電力エネルギー事業にも力を入れています。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第5ステージとなっています。

第5ステージは移動平均線大循環分析においては下降相場の終焉です。
小次郎講師流に見れば、短期移動平均線が帯に突入してきました。

下降相場の勢いが無くなってきているのが分かります。

この流れのままトレンド転換に向かうのか、
それとも、短期移動平均線が帯で抵抗を受けて下降相場に戻るのかがポイントになります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

まずは、2024年5月10日に発表された2024年3月度の決算発表を振り返ってみましょう。
売上高は前期の13兆1361億円に対して今期は13兆3745億円となりました。
営業利益は前期の1兆8298億円に対して今期は1兆9229億円となりました。
最終利益は前期の1兆2131億円に対して1兆2795億円となりました。
売上高、営業利益、最終利益共に過去最高となりました。

また、5月10日に発表された第4四半期決算を見ていきましょう。
売上高は前期の3兆3522億円に対して3兆7677億円となり、
前年同期比でもプラス2.6%となりました。
営業利益は前期の5352億円に対して4367億円となりましたが、
前年同期比ではプラス41.7%となりました。
最終利益は前期の3402億円から2684億円となりましたが、
前年同期比ではプラス48.6%となりました。

NTTグループを見ると、ドコモに代表される「総合ICT事業」、NTT東日本、
NTT西日本に代表される「地域通信事業」、NTTデータに代表される
「グローバル・ソリューション事業」、不動産やエネルギーなどの「その他」の事業があります。
従業員は33万人を超え、関連会社は900社を超えます。

この巨大企業は5年間で成長分野に約8兆円の投資を行い、
トータルで約12兆円の投資を行い更なる成長を遂げようとしています。

AI/ロボットの高度化にも力を入れており、巨大企業ではあるものの、
挑戦する姿勢を見せており、
今年度も過去最高の売上高を目指しているので注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
分かりやすいチャートは200日EMAがわかりやすく右肩上がりに、
もしくは、分かりやすく右肩下がりになります。

この銘柄は、200日EMAが緩やかな右肩上がりから、
分かりやすい右肩下がりになっており、分かりやすい動きになっているのが分かります。

次に200日EMAと帯の関係で見ていきましょう。
200日EMAが右肩上がりになっていても、
上昇帯と下降帯が混在していれば、トレードが難しくなります。
200日EMAが右肩上がりになっているところを確認すると、
上昇帯と下降帯が混在しており、帯だけを見ればトレードし難い形になっています。

ただ、200日EMAが右肩下がりになっているところは、
下降帯が継続しており分かりやすい動きになっています。

最後に直近のステージを見てみましょう。

基本的には200日EMAが右肩上がりの時には、第1ステージが中心になりますが、
一番安定している場合は、第1ステージが中心になります。
次に、安定している場合は、上昇帯を維持しながら、
一時的にステージが2や3になりながら推移します。
安定していない場合は、上昇帯と下降帯が短い期間で入れ替わる銘柄ですが、
この銘柄は上昇帯が継続しているところと、下降帯に移行しているところがあり、
買いポジションを持ち続けるのが難しいチャートです。

2024年4月からは、下降期である第4ステージが続いており、綺麗にトレンド転換しています。

第1ステージが終わり、下降期である第4ステージに移行した後に、
短期EMAが200日EMAとデッドクロスして、
その後、下降帯が綺麗に200日EMAを下回っています。

下降帯になってもトレンド転換しない銘柄は200日EMAでサポートされます。

この違いを理解していきましょう。

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