注目チャート289|塩野義製薬(4507)

皆さんこんにちは。

今、大阪府では、5年ぶりに警報レベルになっている病気が大流行しています。

それは、「手足口病」という病気です。

大阪府の発表によると、2019年以来、5年ぶりの大流行で、5月27日から6月2日までの1週間に
府内で報告された定点あたりの患者数が警報レベルの「5」を超えたということです。

では、手足口病とはどういった病気なのでしょう。
これは、夏ごろに4歳くらいまでの子どもを中心に流行が見られる感染症で発症すると
手や足、口などに発疹ができ、熱が出ることもあります。
まれに合併症や心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺などにより
重症化することもある病気です。

大阪府の吉村洋文知事は6月6日、「ぜひ府民には感染対策、手洗いをお願いしたい。
特に保育所や幼稚園はより広がりやすいので、手洗いや排せつ物の処理など。
感染対策を実施してほしい」と語っていました。
また、兵庫県や京都市でも、警報レベルの「5」を超えたと発表しました。

お子さんをお持ちの方にとっては、心配な状況となっていますが、残念ながら、手足口病には、
有効なワクチンがないため、日ごろからの手洗いなどの感染予防をするしかないそうです。

今回はこういった病気などと向き合ってきた企業に注目しました。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


大局のトレンド転換 by masao_shindo on TradingView.com

※TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「塩野義製薬」の日足チャートです。

1878年、明治11年に塩野義三郎氏が、大阪で薬種問屋を創業したのが始まりと言われています。
苗字は「塩野義」ではなく、「塩野」さんだそうです。
大阪の道修町(どしょうまち)が創業地で、小林製薬や武田薬品工業など
数多くの製薬会社も、この道修町が創業の地となっています。

抗HIV薬が大型化しており、高脂血症薬、鎮痛、感染分野に強みを持っています。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第4ステージとなっています。

第4ステージは移動平均線大循環分析においては下降期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので
トレンドに勢いがあるのが分かります。

3本の移動平均線の間隔がさらに広がってきていますので、この勢いが暫く続くのか、
それとも勢いが弱くなってトレンド転換するのかがポイントとなります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

では、2024年5月13日に発表された2024年3月度の決算発表を振り返ってみましょう。
売上高は前期の4266億円に対して24年度は4350億円でした。
営業利益は前期の1490億円に対して24年度は1533億円となりました。
最終利益は前期の1849億円に対して1620億円となりました。
売上高、営業利益は過去最高を記録しましたが、
前期に過去最高を記録した最終利益は減益となりました。

また、5月13日に発表された24年度の第4四半期決算を見ていきましょう。
売上高は前期の1062億円に対して982億円となりましたが、
前年同期比ではプラス11.2%となりました。
営業利益は前期の406億円に対して145億円と減益となりましたが、
前年同期比ではプラス5.8倍となりました。
最終利益は前期の366億円から348億円と減益となりましたが、
前年同期比ではプラス27.8%となりました。

売上収益は海外子会社や輸出、ロイヤリティー収入が増加しました。
一方で、前期に発生した日本政府のゾコーバ購入による収入が減少しました。

国内事業においては、感染症薬を中心とした自社販売の拡大を実現できたことで、
+464億円の増加となりました。

2024年はゾコーバ(COVIDー19治療薬)やゾフルーザ(インフルエンザ治療薬)など
新製品の投入によって、国内事業のさらなる成長を目指すとのことですので
注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
分かりやすいチャートは200日EMAがわかりやすく右肩上がりに、
もしくは、分かりやすく右肩下がりになります。

この銘柄は、200日EMAが右肩上がりになっていたときは分かりやすい動きになっていましたが、
直近は200日EMAが横ばいから右肩下がりになり始めていますので、
転換期のような動きになっています。

次に200日EMAと帯の関係で見ていきましょう。
200日EMAが右肩上がりになっている中では、上昇帯が中心となっています。
一時的に下降帯になっても200日EMAでサポートされて反発しています。
この関係をみると、多くの銘柄でも見られるような、
200日EMAが右肩上がりの時は上昇帯が中心になって推移しています。

最後に直近のステージをみてみましょう。

2024年の4月からステージが下降期である第4ステージに移行しています。
一時的にステージの4→5→6の戻り売りとなりましたが、
下降帯が200日EMAに向けて推移しています。

また、肥満症治療薬の試験結果が目標の5%を下回ったことが嫌気されて、
株価が急落しています。

この下落によって、下降帯が200日EMAを下回る可能性が高まっており、
大局のトレンド転換となりそうです。

安定上昇期であれば、下から200日EMA、上昇帯、短期EMA,価格の順番で上昇していきます。
これが、トレンド転換していくと、価格が帯を下回り、短期EMAも帯を下回っていきます。
そして、上昇帯から下降帯に代わり、価格、短期EMA、
下降帯の順番で200日EMAに対してデッドクロスしていきます。

このトレンド転換の流れをしっかりと理解することで、
チャートにどういった変化が起きているのかを理解することが出来るようになりますので、
頭に叩き込んでおきましょう。

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