注目チャート281|商船三井(9104)

皆さんこんにちは。

世界の船舶関連の方が震撼する出来事が起きています。

世界の船舶にとって「紅海」は地中海を結ぶスエズ運河があり、
日本にとってもLNG船が運航されるようになります。
スエズ運河に通じる紅海は世界全体の貿易量の10%で、年間1万7000隻が通航しています。

その紅海で大事件が勃発しています。

イエメンの武装組織フーシ派によって、紅海を航行する商船への攻撃が数週間続いており、
これに対抗して、米英の両軍はフーシ派に対して空爆を決定しました。

これに伴い、海運業界では、船員の多くが紅海南部の航行を恐れており、
西側諸国では、紅海域には近づかないよう船舶に呼びかけています。

中東から米メキシコ湾岸地域に向かう原油輸送船の大半はすでに、
喜望峰経由の航路をとっているので、今後も影響が高まっています。

今回はその船舶に関連している会社を取り上げようと思います。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


200日EMAから放れる動き、近づく動き by masao_shindo on TradingView.com

※TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「商船三井」の日足チャートになります。

日本郵船、川崎汽船と並ぶ日本の三大海運会社の1社です。

1878年、明治11年に、三井物産が鉄製蒸気船「秀吉丸」で
三池の海外輸送を開始したのが始まりです。
1942年、昭和17年12月に三井物産の船舶部門が三井船舶株式会社として分社化しました。
1946年に三井船舶と大阪商船が合併し、大阪商船三井船舶株式会社となり、
1999年に株式会社商船三井となります。

まずは、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がり始めているので
トレンドに勢いがあるのがわかります。

ここからさらにトレンドに勢いが出てくるのかどうかです。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

この企業の注目ポイント

まずは、2023年4月28日に発表された2023年3月度の決算発表を振り返ってみましょう。
売上高は前期の1兆2693億円に対して今期は1兆6119億円でした。
営業利益は前期の550億円に対して今期は1087億円となりました。
最終利益は前期の7088億円に対して7960億円となりました。
最終利益が過去最高となりました。

また、10月31日に発表された第2四半期累計決算を見ていきましょう。
売上高は前期の8213億円に対して7910億円となり、前年同期比でマイナス3.8%となりました。
営業利益は前期の560億円に対して493億円となり、前年同期比でマイナス12.1%となりました。
最終利益は前期の6015億円から1507億円となり、前年同期比でマイナス74.9%となりました。

内訳をみると、ドライバルク事業と製品輸送事業が22年度から見るとマイナスとなっていました。
一方で、エネルギー事業は22年度から見てプラスとなっていました。

コンテナ船は足元の短期運賃水準に鑑み下方修正するも、
ドライバルク、エネルギー事業を上方修正しました。
決算内容のダイジェストとしては、足元の円安傾向も加味し、
経常利益は前回見通しを据え置きとなり、
当期純利益は売船による特別利益増により上方修正しました。

イエメンの武装組織フーシ派によって、紅海を航行する商船が減少しており、
その影響度合いがどうなるかを見ていきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
分かりやすいチャートは200日EMAがわかりやすく右肩上がりに、
もしくは、分かりやすく右肩下がりになります。

この銘柄は、概ね200日EMAが右肩上がりになっており、
分かりやすい動きになっているのがわかります。

次に、200日EMAと帯の関係を見てみましょう。
200日EMAは時間の経過と共に、緩やかな右肩上がりから
しっかりとした右肩上がりになっています。
その中で200日EMAに接近するとことは下降帯となっていますが、
200日EMAでサポートされて上昇帯が継続する分かりやすい動きになっています。

最後にステージの変化を見ていきましょう。
2022年から2023年の4月くらいまでは、上昇帯も長くは続かず、
トレードが難しい局面が続いていました。
しかし、2023年6月あたりからは、上昇するときは上昇期である第1ステージが長く続き、
上昇が終わると下降期である第4ステージになり、
それが、200日EMAでサポートされるという分かりやすい動きになっています。

トレードにおいては、分かりやすい動きをする銘柄であることが大事になります。
ただ、いつ分かりやすい動きをするかというと読みにくいところがあります。
とはいえ、基本的には、200日EMA付近での推移は、分かりにくい動きをするケースが多く、
200日EMAが右肩上がりになって、更にそこから帯が放れるところが
分かりやすい動きになりやすいという傾向があります。
それを理解しておくと、ここからは、難しい局面になりそうなのか、
分かりやすい動きになる可能性が高いところなのかを予想することができます。

難しい局面を避けて分かりやすい局面でトレードしていきましょう。

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