皆さんこんにちは。
1月18日に日銀の金融政策決定会合が開催され、現行の金融緩和策の維持が決定されました。
昨年12月に金融・資本市場で長期金利の許容変動幅を拡大しましたので、
今回も日銀が再び政策修正に踏み切るとの観測が出ていましたが、
緩和縮小を見送ったことでサプライズ的な動きになりました。
18日午後の東京市場では金利が低下し、円安、株高が進みました。
では、その背景を見ていきましょう。
日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を含め、
大枠の政策を現状維持としました。
しかし、外国為替市場では海外勢を中心にYCC撤廃や長期金利の変動幅拡大といった
政策修正を見込んで円の対ドルでの買い持ち高を積み上げていた参加者が多かったようです。
そこで、今回の結果を受けて、思惑が外れて持ち高解消の
円売り・ドル買いが加速したということです。
株式市場でも同様に、株式も下がるとみていたものの、
日銀が動かなかったことで上昇しました。
つまり、市場関係者の間では、金融緩和の縮小が行われると見ていたのが、
何もしなかったことでサプライズとなったということです。
黒田総裁はサプライズ好きなのかもしれませんね。
今回は世界で活躍している企業について見ていこうと思います。
では、チャートを見ていきましょう。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
中間波動での考え方 by masao_shindo on TradingView.com
※TradingView のチャートを使っています
上記のチャートは、「三菱商事」の日足チャートです。
三菱グループの中の総合商社です。
日本で初めての株式会社とされる坂本龍馬の海援隊が
近江屋事件後に後藤象二郎に委ねられました。
その後三菱財閥初代総帥の岩崎弥太郎に継承され、大坂において九十九商会となりました。
九十九商会は後に、三菱商会、三菱蒸汽船会社(後の日本郵船)、三菱社と変遷しました。
4代目総帥の岩崎小弥太が各事業部門を独立させ、
三菱合資営業部は「立業貿易」の方針に則り、
1918年に総合商社である三菱商事として独立しました。
そして、今や三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅と共に
日本の五大商社の一つとなっています。
では、チャートのステージを見ていきましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第4ステージとなっています。
第4ステージは移動平均線大循環分析においては下降期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出てきたものの、
短期移動平均線が帯に接近してきました。
帯で抵抗を受けるのか、帯を上抜けていくのかに注目です。
ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。
この企業の注目ポイント
昨年5月10日に発表された2022年3月期決算の内容を見ていきましょう。
売上高は前期の12兆8845億円から17兆2648億円と増加しました。
経常利益は前期の2535億円から1兆2931億円と大幅に増加し過去最高を記録しました。
最終利益も前期の1725億円から9375億円となり過去最高となりました。
セグメント別の純利益でみると、天然ガス事業が前期の212億円から1051億円に。
総合素材は47億円から368億円に、石油・化学ソリューションは
262億円から403億円に、金属資源は前期の781億円から4207億円へと急増しました。
自動車・モビリティは前期の281億円の赤字から1068億円の黒字に回復しました。
その他の授業も増加していました。
その中で産業インフラ事業だけは前期の212億円から173億円へと減益となっていました。
その後の昨年11月8日に発表された2023年3月期の第2四半期累計決算は、
売上高が10兆7218億円、経常利益は1兆645億円、最終利益は7200億円となりました。
前年同期比でみると、売上高は+38.8%、経常利益は2倍、最終利益は+99.7%となりました。
セグメント別の純利益でみると、引き続き金属資源が好調で
前期の1427億円から3215億円に増加していました。
総合都市開発は156億円から1146億円と大幅に増加していました。
一方で、マイナスだったのは、食品産業と電力ソリューション部門で、
電力ソリューション部門は91億円の赤字となっていました。
ただし、総合商社の強みはビジネスが多岐にわたっているので、
世界の環境が変わっても対応できる対応力があります。
今後も活躍が期待されますので注目してみていきましょう。
このチャートをどう見るか?
移動平均線大循環分析で解説していきましょう。
大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
分かりやすいチャートは200日EMAが緩やかに右肩上がりだったり、
右肩下がりだったりします。
この銘柄は200日EMAがきれいに右肩上がりになっていますので、
分かりやすい動きをしている銘柄であることが分かります。
次に、200日EMAと価格の関係を見てみましょう。
2020年後半以降、200日EMAが右肩上がりになりながら価格はその上で推移しています。
非常に安定した動きであることがわかります。
200日EMAは右肩上がりとなっていますが、
2022年6月になってからは価格が200日EMAにクロスし始めます。
これは、それ以前の勢いが弱くなってきたことを示しています。
ただし、200日EMAにクロスはするものの、
結果的には200日EMAでサポートされて反発しています。
つまり、勢いは弱くなったものの、
流れが変わり下降トレンドに移行したということではありません。
最後に直近のステージを見ていきましょう。
昨年末あたりからステージが変化して上昇期である第1ステージから
下降期である第4ステージに移行してきました。
その後、短期移動平均線が帯に突入し、下降相場の終焉である
第5ステージに移行するも、下降期である第4ステージに逆行しています。
今後は下降帯が抵抗線になり、200日EMAが支持線になり、
価格がどちらに抜けてくるのかという点が注目となってきます。
このように、価格が帯と200日EMAに挟まれるということはよくあるところですので、
ここから、帯が抵抗となって流れが変わり下降トレンドとなるのか、
200日EMAでサポートされて上昇トレンドに戻るのかをみていきましょう。