皆さんこんにちは。
秋も深まってきました。
スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋などと言われますが、
今年の秋は何といっても値上げの秋でもありました。
電気、ガスなどのエネルギーをはじめ、食料品や乳製品、
飲料など多くのものが値上げになっています。
また、円安の影響も更に値上げに拍車をかけています。
民間の調査会社によると、値上げ品目数は秋になってからでも累計2万件を超えています。
気が付けば殆どのものが値上げされているようにも感じます。
高速道路の料金も値上げをしています。
こうなると、逆に便乗値上げなどもありそうですが、
つい数年前まではデフレが叫ばれていたことを考えると、
時代の流れはインフレに代わってきたようです。
この度、発表された東京23区の消費者物価指数は昨年より3.6%上昇しました。
この上昇幅は実に1982年4月以来40年7か月ぶりの歴史的な上昇幅となっています。
生鮮食料品を除く食料が6.7%の上昇、家庭用耐久財が11.5%、
携帯電話機が20.1%の上昇となりました。
世の中の大きな流れは一度動き出すと流れが加速し易くなるため、
インフレの流れは簡単には止まらないかもしれませんね。
今回はそのインフレに強いと期待されている企業について見ていこうと思います。
では、チャートを見ていきましょう。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
中間波動の終わりを狙え! by masao_shindo on TradingView.com
※TradingView のチャートを使っています
上記のチャートは、「伊藤忠商事」の日足チャートです。
1858年、初代伊藤忠兵衛が麻布の「持下り」行商を近江国(滋賀県)で創業しました。
「持下り」とは関西から関東をはじめ全国各地へ行商することです。
同業の丸紅とは同じ起源となっている大手総合商社です。
戦前は伊藤忠財閥の中核企業で、
多数の紡績会社を傘下に持つ繊維財閥で世界最大の繊維商社でした。
その後は総合商社として繊維からエネルギーまであらゆるものを扱う企業となっています。
では、チャートのステージを見ていきましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第1ステージとなっています。
第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので、
トレンドに勢いがあるのが分かります。
このまま上昇トレンドに勢いが出るのか、
それとも短期移動平均線が帯に接近してくるのかに注目です。
ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。
この企業の注目ポイント
5月10日に発表された2022年3月期決算の内容を見ていきましょう。
売上高は前期の10兆3626億円から12兆2933億円へと増加しました。
営業利益は前期の4034億円から5825億円と増加しました。
最終利益は前期の4013億円から8202億円と増加しました。
売上高以外の営業利益、最終利益が過去最高を記録しました。
セグメント別で見ると金属部門の利益が一番大きく、
前期比で+1219億円、トータルで2260億円でした。
次に住生活が前期比で+840億円で10520億円でした。
繊維、機械、エネルギー化学品、食料、情報・金融、第8すべてがプラスとなっていました。
その他および修正で税金負担が増加してマイナスとなりました。
その後、2023年3月期の第2四半期累計決算は、
売上高が6兆9921億円と前年同期比でみると19%の伸びとなっています。
営業利益も3885億円と前年同期比で27%の伸びとなりました。
ただ、最終利益は4830億円となり、前年同期比でマイナスの3.5%となりました。
しかし、営業利益は過去最高となっており順調な決算内容となっていました。
総合商社というあらゆる分野に関与している中で、全てのセクターが好調ということは、
インフレの影響をプラスに変換できているということになります。
今後のインフレ動向と企業決算の因果関係に注目しながら見ていきましょう。
このチャートをどう見るか?
移動平均線大循環分析で解説していきましょう。
大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
200日EMAはずっと右肩上がりの展開です。
右肩上がりの動きということは長期安定上昇が続いているということが分かります。
一方で、200日EMAが右肩下がりの動きのときは長期安定下降となります。
次に、200日EMAと価格の関係を見てみましょう。
2021年10月辺りに価格が200日EMAを割り込むも、
直ぐに反転して200日EMAがサポートとなり反発しました。
その後も2022年にも何度か価格が200日EMAを割り込みましたが、
下降トレンドが成長することなく反転上昇しました。
今度は直近のステージを見ていきましょう。
2022年の前半は、200日EMAが右肩がりで続く中で、
下降期である第4ステージと上昇期である第1ステージが短期間で交錯していました。
近視眼的には短い上昇と下降となりますので、
利益を狙えないわけではありませんが、難しい局面であることは分かります。
この難しい局面を打破したが、11月1日の大陽線によるもみ合い高値更新でした。
そこから、再び上昇期である第1ステージが継続し、
帯が傾きを持ちながら間隔が広がってトレンドが出てきています。
やはり、チャートにはわかりやすい時期と難しい時期がり、
そこを見極めながら、難しい局面がどこで終わるのかを意識することで、
次の分かりやすい時期を狙うことができます。
高値更新した動きが継続するかどうかに注目しましょう。