注目チャート236|トヨタ自動車(7203)

皆さんこんにちは。

今年の為替相場は大きく動いていますね。
特に米ドル円は約32年ぶりのドル高円安の水準になっており、
輸入品が高騰して我々の物価が上昇してきました。
ドル高円安の要因として言われているのが、アメリカと日本の金融政策の差です。
アメリカはインフレが加速する中、中央銀行が金融緩和から金融引き締めに舵を切っています。
しかし、日本は金融緩和を継続しているため、アメリカと日本の金利差がどんどん拡大し、
円を売ってドルを買う動きが加速しているのです。

ドル高円安は輸入する品の価格が上昇するというデメリットと、
輸出する品が割安になって販売が伸びるというメリットがあります。
ただし、その両方を天秤にかけて物事を判断する力が必要になります。
政府・日銀は過度な円安は好ましくないということで、
24年ぶりにドル売り円買いの為替介入を行いました。

介入は賛否両論ありますが、マーケットを中央銀行がコントロールすることは難しく、
一時しのぎの政策となりますが、政府・日銀のメッセージとしては
しっかりとマーケットに伝えたのではないでしょうか。

今回は昨年30年ぶりに株式分割を行った企業について見ていこうと思います。
株式市場に精通されている方であれば直ぐにお分かりになるかもしれませんね。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


足種を変えると見方が変わる by masao_shindo on TradingView.com

※TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「トヨタ自動車」の月足チャートです。

豊田佐吉氏が創業した豊田自動織機製作所がトヨタ自動車を生み出しました。
豊田自動織機製作所内に1933年に開設された自動車部がトヨタ自動車の起源となります。
傘下にはダイハツや日野自動車を擁し、スバルの筆頭株主でもあります。
年間販売台数は1000万台を超え、トヨタブランド単独では世界一位を誇っています。

正真正銘の日本を代表する企業であり世界で戦っている会社です。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので、
トレンドに勢いがあるのが分かります。
ただ、短期移動平均線が帯に接近してきていますので、このまま帯に突入するのか
それとも帯に傾きが出て間隔が広がってくるのかに注目です。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

5月11日に発表された2022年3月期決算の内容を見ていきましょう。
売上高は前期の27兆2145億円から31兆3795億円で増収となり過去最高を更新しました。
営業利益は前期の2兆1977億円から2兆9956億円となり、これまた、過去最高を更新しました。
最終利益は前期の2兆2452億円から2兆8501億円となり、これもまた、過去最高を更新しました。

前期はコロナショックの影響で減収減益となりましたが、
今期は販売店・仕入先・工場の現場が必死に努力し、資材価格の上昇、新規領域への
投資による費用増加などがあるも、原価改善や営業面の努力によって増収増益となりました。

次に、8月4日に発表された2023年3月期の第1四半期決算は、売上高が8兆4911億円、
営業利益は5786億円、最終利益は7368億円となっていました。
前年同期比で見ると、売上高はプラス7%でしたが、営業利益はマイナス42%、
最終利益もマイナス17.9%という結果でした。
内容を見ると、上海のロックダウンや南アフリカの洪水などの想定外の案件が発生したことで、
計画通りの生産活動が出来なったことが要因でした。

ただし、円安効果が大きく効いてきているので、
想定外の要因が無くなれば業績向上が期待できそうですので注目しましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる200本EMA(指数平滑移動平均線)と
価格の推移を見ていきましょう。
チャートは月足なので、200本EMAは200月EMAとなります。
まずは、200月EMAの動きを見ていきましょう。
200月EMAが右肩上がりの動きのときは長期安定上昇となります。
右肩下がりの動きは長期安定下降となります。
この銘柄の200月EMAは2000年以降に出来ており、それ以前にはありません。

これは、200本EMAの構成が理由となっています。
このチャートは月足なので200本EMAを作成しようと思えば、
まずは200本のローソク足が必要です。
つまり、200月ですので、1年が12本ですから、約17年弱のローソク足が必要になります。
その200本が揃ったところが2000年のところということです。
では、本題に入ります。基本的には2012年辺りにやや右肩下がりの動きを見せていますが、
殆どが右肩上がりの動きを見せています。
ということは、このチャートの大きな流れは上昇トレンドを形成しているということです。

次に、200月EMAと価格の関係を見てみましょう。
2008年から2012年の間は200本EMAが横ばいでしたが、
それ以外は200月EMAが右肩上がりになっており、
200本EMAがサポートとなって推移しているのが分かります。
200本EMAに接近してきても200本EMAがサポートとなっています。

今度は直近のステージを見ていきましょう。
2013年からは第1ステージを中心に推移しています。
一時的に押し目を付けても、ステージの12321の押し目買いで反発しており、
2013年以降はずっと上昇帯を維持しています。
直近は大陰線が出現し短期移動平均線が帯に接近してきました。
ただ、ステージは第1ステージを維持しており、大局の動きを見る限り、
今年の株式市場の低迷は大局の押し目の範囲であることが分かります。

ただ、ここから短期移動平均線が帯を下抜けてくるようであれば、
大局のトレンド転換ということになりますので注意しておきましょう。

おすすめ


公式インジケーターを利用する