注目チャート231|三菱重工業(7011)

皆さんこんにちは。

ロシアによるウクライナ侵攻から8月24日で半年が過ぎました。
戦争の終結が見通せない中、エネルギーや食料品の価格が高止まりしており、
家計への打撃が大きくなっています。

中部電力ミライズの10月分の家庭向け電気料金は、
燃料費上昇分を価格転嫁できる制度の上限に達する見込みだそうです。
これにより、大手電力10社全てが上限に到達するとのことです。
東京電力エナジーパートナーの場合、9月分の料金は標準的な家庭で9126円と、
今年1月分から約2割上昇します。

食品の値上げも広がっています。
帝国データバンクによると、1~7月に値上げを実施した品目数は、
価格を改定せずに内容量を減らすケースも含め8000を超えました。
ハム・ソーセージや冷凍食品などの加工食品や、
ビールや発泡酒などの出荷価格も引き上げられます。
2022年の秋は値上げの秋が続きそうですね。

今回取り上げる企業は、日本の根幹にかかわる大企業です。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


200日EMAを見ると大局の動きが分かる by masao_shindo on TradingView.com

※TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「三菱重工業」の日足チャートになります。

三菱グループの源流企業である日本郵船の船の修繕、
改修のために国から払い下げられた長崎造船所から発展した、日本最大の機械メーカーです。

「三菱UFJ銀行」「三菱商事」とならび三菱重工業は、
三菱グループの御三家と呼ばれています。

事業領域は、陸・海・空・宇宙と多岐にわたっており、
同社を中心に国内外役300社からなる三菱重工グループを形成しています。

また、日本ではトップの軍需企業でもあり、日本の国防を担っています。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流にみれば、下降帯から上昇帯に切り替わってきたところですので、
トレンドの勢いは未だありません。

ここからさらに帯に傾きが出て間隔が広がり上昇トレンドに勢いがでるのか、
それとも短期移動平均線が帯を下抜けて上昇相場が終焉するのかがポイントとなります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

この銘柄の注目ポイント

まずは、2022年5月12日に発表された2022年3月度の決算発表を振り返ってみましょう。
売上高は3兆9000億円、経常利益は1900億円、最終利益は1200億円となっていました。
収益力の回復と強化ということで事業利益率が7%と目標達成となりました。
ROEは12%となっており目標を超過達成しました。
財務の健全化においては、総資産回転率が0.9%と目標達成、
有利子負債水準維持は純利益の増加などから超過達成となりました。
株主還元も1株当たりの配当金が100円となり、超過達成となりました。

収益力の回復、強化においては地球温暖化対策の国際的な取り組みの進展によって、
リアリティのある事業の展開が行われました。
地政学的リスクの増大やコロナ感染拡大による需給ギャップにおいては、
エネルギー供給の不安定化が起き、サプライチェーンの混乱が進行しました。
これに伴いエネルギーセキュリティの側面から原子力発電の再評価が起き、
世界的なインフレーションによって資源や素材、
半導体などが高騰したことで価格転換連鎖のタイムラグが発生しました。
この問題を解決するために適正価格への転嫁を開始したことで、
来期の業績向上へ繋がる見直しをおこなっています。

この結果として、8月5日に発表された第1四半期決算を見てみましょう。
売上高は8713億円と前年同期比でプラス2.3%となりました。
経常利益は355億円となり前年同期比でプラス68.7%となり、
最終利益が191億円でプラス51.7%となりました。
材料費や輸送費の高騰に対する価格転嫁実現には時間差があるものの、
円安進行による為替差益が寄与しました。

エネルギー事業、プラント・インフラ事業、物流・冷熱・ドライブシステム事業、
航空・防衛・宇宙事業とあるなかで、
航空・防衛・宇宙事業以外は受注残高が前期より増加しました。

国家の根幹にかかわる事業もありますが、
企業として安定した業績を残していますので今後の動向にも注目して見ていきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
チャートは日足なので、200本EMAは200日EMAとなります。
まずは、200日EMAの動きを見ていきましょう。
安定上昇している銘柄は、200日EMAは緩やかに右肩上がりの動きとなります。
安定下降している銘柄はその逆となります。
この銘柄の200日EMAは右肩下がりとなっていたのが、
2021年なって緩やかに右肩上がりになりましたが、
2021年後半は緩やかな右肩下がりの動きになりました。
その後、2022年以降は綺麗な右肩上がりの展開となっており、
大局の動きが安定上昇しているのが分かります。

次に、200日EMAと価格の関係を見てみましょう。
2020年は200日EMAが右肩下がりで価格は、その200日EMAに接することなく
下降期である第4ステージを中心に推移していました。
2021年は200日EMAを挟んだ動きとなっていたので、
大局の動きに方向性が無かったことが分かります。
2022年は200日EMAが右肩上がりで価格がその上で推移して
上昇期である第1ステージを中心に推移しています。

では、直近のステージを見ていきましょう。
2022年6月まで続いていた安定上昇期が終わり、ステージが12321と変わり、
短期間で1234と下降期である第4ステージに移行し、直ぐにステージ1に移行してきました。
中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯」といいますが、この帯が細く横長になっています。
これは、トレンドが無くなり方向感が無いことを教えてくれています。

帯が傾きを持って間隔が広がればトレンドに勢いが出ます。
今年の高値を更新するかどうかに注目して見ていきましょう。

おすすめ


公式インジケーターを利用する