注目チャート203|川崎汽船(9107)

皆さんこんにちは。

いよいよ12月になり今年もあと僅かとなりましたが、
マーケットはオミクロン株に振り回されています。
11月26日に南アフリカからオミクロン株は
感染力が物凄く強いといったニュースが入り世界同時株安のような動きになりました。
その後、確かに感染力は強力だが重症化リスクは低いといったニュースが出てくると、
今度は売られた巻き返しから上昇してきました。
未だ予断は許されないようなチャートになっていますが、
今年がどういった形で終わるのか気になるところですね。

そういった状況の中、気になるニュースが入ってきました。
欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスが、経営危機に陥っている中国不動産大手、
中国恒大集団の格付けを一部デフォルト(債務不履行)を示す「RD」に引き下げたのです。
その理由は、中国恒大が米ドル建て社債の計8249万ドル(約93億円)の利払いを
期限までに実施しなかったことによります。

中国恒大集団は1996年に創業した不動産会社です。
2009年に香港取引所に上場を果たし、
2016年には売上高が世界最大の不動産会社になるまで成長しました。
しかし2020年からは、その急拡大成長路線が裏目に出てきます。
中国人民銀行(中国の中央銀行)が大手不動産会社の財務への監視を強化しました。
それに伴い、中国恒大集団は資金を自由に借り入れできない状態になりました。
当時の2020年6月末時点の負債総額が約35兆円もありました。
今後、他の格付け会社も同様の判断を行えば、
恒大の資金繰りを取り巻く環境は一層厳しくなりますので、
マーケットへの影響も考慮しながら見ていきましょう。

今回はコロナショックの恩恵を大きく受けた企業を取り上げようと思います。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


川崎汽船は高値更新できるのか? ~200本EMAの考察 by masao_shindo on TradingView.com

※ 本動画では TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「川崎汽船」の週足チャートになります。

1919年4月に現在の川崎重工業の船舶部が独立する形で設立されました。
日本郵船、商船三井に次いで国内第3位の規模を誇っています。

上位2社と比較するとコンテナ船への依存が高いとされています。
このほか、石炭・鉄鉱石などの不定期貨物船、自動車運搬船、LNGタンカー、
石油タンカーなどを運航しています。

まずは、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、短期移動平均線が帯を試しにきてから切り返しています。
まだ、9月の高値を更新していませんので上昇トレンド復活となるのかどうかに注目です。

3本の移動平均線の間隔がさらに広がって、勢いが更に出てくるのか
それとも、勢いが弱くなっていくのかがポイントとなります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

この銘柄の注目ポイント

まずは、今年の5月10日に発表された2021年3月決算の内容を見てみましょう。
売上高は6254億円、営業利益はマイナス212億円、最終利益は1086億円でした。
営業利益はマイナスになりましたが、最終利益は過去最高となりました。
前期比で比べると、売上高は1098億円の減少となっていました。

セグメント別で見ると、ドライバルクはコロナウイルスの影響を受けて518億円の減少でした。
エネルギー資源は70億円の減少となっていました。
しかし、製品物流は売上高では448億円の減少でしたが、
コンテナ船の事業が好調で利益が1038億円となり前期比では1142億円増加しました。

11月4日に発表された4月から9月期決算を見ると、
売上高が3575億円で約20%プラスとなりました。
営業利益は101億円で黒字転換しました。
最終利益は2460億円と前年同期比で26倍となりました。
コロナの影響を受けていたドライバルクやエネルギー資源が回復し、
コンテナ船事業はさらに好調だったことから利益が大幅に増加しました。

今後の課題は不採算事業の整理となりそうですので注目して見ていきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる
200本EMA(指数平滑移動平均線)と価格の推移を見ていきましょう。
2018年から価格が下落し200本EMAを下回り、200本EMAも右肩下がりとなりました。
コロナショック後に価格が200本EMAを上抜けてからは右肩上がりの動きに戻りました。

次にステージを見ていきましょう。
どちらかというと、週足ベースでは上昇するときも下降するときも
分かり易い動きをする特徴があるチャートとなっています。
2018年からは下降期である第4ステージが続き、
コロナショック前に一時的に切り返す動きあり上昇期である第1ステージになりましたが、
長くは続きませんでしたが、比較的分かり易い動きになっていました。
コロナショックで再び下降期である第4ステージになって
底打ちしてからは驚異的な上昇を見せました。
そこでも、上昇期である第1ステージを維持しており、
直近の利益確定売りで下がったところも第1ステージを維持して反発しています。

ここからのポイントは、直近の高値を更新するかどうかというところにあります。
なぜなら、高値を更新することが出来れば
新たな上昇トレンドが再開される可能性が一気に高まります。
一方で、高値更新出来ないようであれば、もみ合い相場になるか、
トレンド転換して下降トレンドになることが想定されます。

大局の展開を決める重要な局面ですので注目していきましょう。

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