皆さんこんにちは。
緊急事態宣言が解除され主要都市での飲食店の時短要請も解除され、
徐々に日常が戻り始めています。
背景には新型コロナウイルスの感染者数が大きく減少していることがあげられます。
東京都ではピークのときには1日5,000人を超えていましたが、
10月27日には36人まで減ってきました。
これは、ワクチン接種を済ませた方が増加したことによるものと考えられます。
これに伴い新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いているとして、
スポーツイベントなどを行う場合に設けていた上限1万人の経過措置を終了します。
そして、来月からすべての都道府県で収容人数の半分まで
入場できるようにする方針とのことです。
止まっていた経済を動かしてもコロナウイルスの感染者数が急増しなければ、
本格的に経済が動き出すということになります。
その動きは日本だけでなく世界的な動きとなってきており、新たな問題が発生してきています。
それは、「サプライ・チェーン」の問題です。
どういうことかというと、供給の流れに目詰まりが起きていて、
一部の価格が大きく上昇するということが起きています。
今回は一部の大きく上昇している銘柄を取り上げようと思います。
では、チャートを見ていきましょう。
今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)
原油の上昇が続く!? by masao_shindo on TradingView.com
※ 本動画では TradingView のチャートを使っています
上記のチャートは、「WTI原油」の週足チャートになります。
世界の原油市場は、米国、英国、中東が三大市場となります。
中東はドバイ原油、英国は北海原油です。
WTI原油とは米国で取引されている銘柄になります。
WTIとは、West Texas Intermediateの略です。
西テキサス地方の中質原油という意味になります。
取引量と市場参加者が多いことから世界の代表的な指標となっています。
では、チャートのステージを見ていきましょう。
移動平均線大循環分析によるステージCHECK!
現在のステージは第1ステージとなっています。
第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので
トレンドに勢いが出てきているのが分かります。
3本の移動平均線の間隔がさらに広がって、勢いが更に出てくるのか、
それとも勢いが弱くなっていくのかがポイントとなります。
ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。
この銘柄の注目ポイント
原油価格の動向は需要と供給の動向を理解する必要があります。
では、まずは供給についてみていきましょう。
米国のシェールオイルの開発による供給増加が世界の石油事情を大きく変えました。
世界第一位の生産国がサウジアラビアから米国になったのです。
これにより世界的に供給過剰の状態となったことで、
OPEC(石油輸出国機構)はロシアなどの生産国と協力して大幅な減産を決定しました。
そして、コロナショックにより世界的に需要が減ったことから
在庫が積み上がり、価格が大幅に減少しました。
コロナを克服して経済が再開され始めると需要は増加しましたが、
減産幅を縮小することには慎重になっています。
次に需要について見てきましょう。
経済活動を行うにおいて電気を作るにも、ものを運搬するにしても原油は必要です。
我々の生活においては重要な資源であり必需品です。
しかし、昨今の地球温暖化の問題から温室効果ガスを排出しない
クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)の注目が高まってきています。
太陽光や風力、地熱や水力、そして、バイオマスなどがそうです。
この「脱石油」の動きが世界的に起きています。
そこに、今回のコロナショックによって石油の需要が猛烈に減少しました。
需要が消えたことで超供給過剰の状態となりました。
今度は経済再開で原油の需要が増加してきました。
しかし、供給が追い付かないために価格がじりじりと上昇していきました。
それによりサプライ・チェーン網にひずみが起きるという問題が発生しました。
しかし、OPEC(石油輸出国機構)やロシアなどの生産国は減産を継続する方針を決定しました。
原油の需要は将来的に大きく減るといわれているだけに、
生産国も安易に増産して安く原油を販売したくないという考えがあるのかもしれません。
経済が本格的に回復する方向に動き始めていますので、
今後も供給体制の動向が重要になってきますので注視していきましょう。
このチャートをどう見るか?
移動平均線大循環分析で解説していきましょう。
大局の強気と弱気の分岐点とされる200本EMA(指数平滑移動平均線)と
価格の推移を見ていきましょう。
2014年に価格が200本EMAを下抜けてからは価格は急落し、
200本EMAも右肩下がりの展開へとなっていきました。
2016年から価格が反転して上昇してきました。
2017年に200本EMAを上抜けてトレンド転換しそうな勢いがありました。
しかし、その後の2017年から2019年あたりは200本EMAが横ばいとなっており、
もみ合い相場のような動きでした。
2020年のコロナショックを受けて再び200本EMAは緩やかな右肩下がりの動きになりました。
コロナショックから再度価格が上昇をはじめ、2021年に200本EMAを上抜けました。
そこか200本EMAは右肩上がりの展開になっています。
次にステージを見ていきましょう。
コロナショックの時は200本EMAが右肩下がりのときは
第4ステージが中心となり推移していました。
その後、200本EMAに向けて推移して上抜けていきましたが、
そこは第1ステージが中心となっています。
現在、2018年の高値を更新していますので、
100ドル超えに向けた動きなる可能性も出てきています。
今年の4月と8月に短期移動平均線が帯を試しにきましたが、
2回とも帯でサポートされて反発しています。
流れが変わる時は短期移動平均線が帯を試しに行ったときに
帯でサポートされずに短期移動平均線が帯を下抜ける時です。
短期移動平均線が帯を試しに行かない限りは安定上昇が続き、
帯を試しに言った局面が非常に重要となりますので注目していきましょう。