注目チャート192|塩野義製薬(4507)

皆さんこんばんは。

8月もいよいよ終わりに近づいていきました。
旧暦では8月は紅葉して落ちる葉から「葉月」と呼ばれ秋の季節となります。
新暦では8月から9月になればやや暑さも落ち着いてきそうですが、
この連日の猛暑からはとても秋が近づいているとは想像ができませんね。

気温だけは夏を感じますが、今年も新型コロナウイルス感染症の影響から
夏の風物詩である祭りや花火などが中止となりました。
もう2年も夏を謳歌できずにいます。
来年こそはコロナを克服して純粋に夏を楽しみたいですね。

ただ、感染症の専門家の話だとどうやって集団免疫を獲得していくかが課題だそうですが、
単にワクチン接種をすればよいということではないようです。
なぜなら、全ての人がワクチンを接種しないということと
変異のスピードが速いということだそうです。

この変異のスピードの場合だと、仮に1~2年で集団免疫を獲得したとしても
3年目に突然ワクチンが効かないタイプが流行する可能性があるそうです。
ですから、集団免疫の獲得には時間がかかり、全国民にワクチンを打ってしまえば、
生活は元通りになるという楽観的な状況ではないそうです。

そういった話を聞くと、物凄く暗く落ち込んでしまいそうですが、
人間は多くの病気に対しても乗り越えてきたわけですから、
今回も必ず乗り越えて明るい未来を迎えることができると信じていきましょう。

今回は日本企業としてコロナウイルスワクチンの供給を目指している企業に注目しました。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


もみ合い相場の予兆を掴む by masao_shindo on TradingView.com

※ 本動画では TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「塩野義製薬」の日足チャートです。

1878年、明治11年に塩野義三郎氏が、大阪で薬種問屋を創業したのが始まりといわれています。
苗字は「塩野義」ではなく、「塩野」さんだそうです。
大阪の道修町(どしょうまち)が創業地で、
小林製薬や武田薬品工業など数多くの製薬会社も、この道修町が創業の地となっています。

抗HIV薬が大型化しており、高脂血症薬、鎮痛、感染分野に強みを持っています。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので
トレンドに勢いがあるのが分かります。

3本の移動平均線の間隔がさらに広がってきていますので、この勢いが暫く続くのか、
それとも勢いが弱くなってトレンド転換するのかがポイントとなります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

5月10日に発表された2020年度の決算の内容を見ていきましょう。
売上高は2971億円、営業利益は1174億円、最終利益は1118億円でした。

事業別で見ると国内医療用医薬品が947億円、海外子会社や輸出が246億円、
製造受託が197億円、一般用医薬品が117億円となっています。
また、ロイヤリティー収入が1446億円、その他が18億円と
ロイヤリティー収入の多さが利益率の高さとなっているようです。

内容を見ると製造受託や一般用医薬品は前年度からプラスとなりました。
感染症関連製品群の伸びが一般用医薬品のプラスに繋がりました。
一方で、薬価改定の影響から国内医療用医薬品の売上はマイナス、
中国の売上も減少したことで海外子会社の売上もマイナスとなりました。
また、HIVフランチャイズの収入減によってロイヤリティー収入もマイナスとなりました。

2020年の取り組みを振り返ってみましょう。
感染症のリーディングカンパニーといわれる塩野義製薬は
国内初のコロナワクチン開発を目指してきました。
コロナウイルスの検知、予防、治療、診断、重症化抑制といった
トータルケアに向けたアクションを展開しています。
そして、純国産ワクチンの実用化に向けて、
初期の臨床試験で1回目の投与後の安全性を確認したと発表しました。
今後、3週間の間隔をあけた2回目の投与後の安全性や有効性を確認していきます。
そして、今年度中の供給開始を目指しています。

コロナウイルスとは長い戦いとなっていますので、
国内初のワクチンができると大きな安心感になっていきますので期待していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる200日EMAと価格の推移を見ていきましょう。
2019年辺りまでは右肩上がりとなっており、価格は2018年に高値を付けました。
その後は下がったり上がったりしながら緩やかに右肩下がりとなっていきました。
2019年4月から2019年8月辺りまでは200日EMAを下回って下がっていました。
そこから切り返しが入ってからは、200日EMAを挟んで価格が乱高下していたのが分かります。
2021年に入ってからは200日EMAを挟んで価格が小さくもみ合い相場になっていました。
そして、直近になってもみ合い放れから上昇していきました。

今度はステージを見ていきましょう。
2021年のもみ合い相場を見ていくと、第1ステージにもなり第4ステージにもなっています。
しかし、大きなトレンドにはなっていませんでした。
それは、ステージが変化しても200日EMAを挟んで推移していたために
トレンドが発生しなかったからでした。

そこから、もみ合い放れで上昇したわけですが、
ポイントとしては2021年の8月の第3ステージになったところでした。
なぜ、そこがポイントかというと、それまでのもみ合い相場はステージが変わると
一先ず200日EMAをまたいで推移していました。

しかし、ここでは、200日EMAでサポートされて、
もみ合いの高値を超えてトレンドが発生しました。
こういったもみ合いの下限まで下がらずにそれまで抵抗、支持になっていなかった200日EMAが
支持線として機能したりすると、もみ合い相場の終わりを予兆することがあります。

このまま高値更新となるのかどうかに注目して見ていきましょう。

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