注目チャート189|日本郵船(9101)

皆さんこんにちは。

連日の猛暑が続く中、オリンピックも盛り上がってきました。
オリンピックで活躍するために努力と労力を費やして参加した選手でも
金メダルとなる選手もいれば予選で敗退する選手もいます。
どんな世界でも明と暗というのは出てしまいますね。

日本という国を俯瞰して見た場合、オリンピックという華やかな世界の「明」と
コロナウイルス感染症の再拡大という「暗」が混在しています。
オリンピックが無観客による開催となったことで人流の抑制には効果があったかもしれません。
しかし、変異株(デルタ株)の猛威によって感染者の数が猛威的に増加しています。
現在はオリンピックという「明」にスポットライトが当たっているように感じますが、
オリンピックが終わればコロナという「暗」にスポットライトが当たりそうです。

どこにスポットライトを当てるかで見え方が変わってきます。
明と暗、陽と陰など表があれば裏があるのが世の常です。
それならば、我々は片方だけ注目するのではなく、両面を受け止めなければいけませんね。

株式市場も上昇している「明」の銘柄と、下降が続く「暗」の銘柄がありますが、
まずは「明」の企業について見ていこうと思います。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


逆Cカーブの上昇か? 上昇の角度を確認する by masao_shindo on TradingView.com

※ 本動画では TradingView のチャートを使っています

上記のチャートは、「日本郵船」の週足チャートです。

1885年、明治18年の9月29日に創立された日本の3大海運会社の一つです。
三菱財閥(三菱グループ)の中核企業であり、三菱重工とともに三菱グループの源流企業です。

国内・海外を合わせて350以上の都市の港へ684隻の運航船舶が乗り入れています。
運航船舶数規模及び連結売上高及び連結純利益で日本では1位、
世界でも最大手の海運会社のひとつです。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので
トレンドに勢いがあるのが分かります。

3本の移動平均線の間隔がさらに広がってきていますので、この勢いが暫く続くのか、
それとも勢いが弱くなってトレンド転換するのかがポイントとなります。

ここからの短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

5月10日に発表された2020年度の決算の内容を見ていきましょう。
売上高は1兆6084億円、営業利益は715億円、最終利益は1392億円でした。
売上高は599億円の減収となりコロナの影響によって不定期用船事業が大きく減少しました。
しかし、下期では航空運送と物流事業が大幅に増加しました。

セグメント別で見ていくと定期船が大幅増益となり、航空運送も国際旅客の減便によって
輸送ペースが減少したことで需給がひっ迫したことで
コンテナ船スペース不足から再度航空貨物にシフトしたことで需要を押し上げました。

物流も海上貨物や航空貨物が増益となりました。
一方で、不定期専用船においては自動車輸送、ドライバルク輸送、
エネルギー輸送が伸びずに減益となりました。

今度は8月4日に発表された第1四半期決算を見ていきましょう。
売上高が5046億円と大幅増収、最終利益は1510億円とこれも大幅増加となり、
売上高が前期比で34%増、最終利益が16倍と驚異的な結果となりました。
背景には物流事業の運賃水準の上昇と取扱量が増加したことで増収となり、
不定期船専用船事業で増収となったことが挙げられます。

通期に向けては感染症の収束時期は未だ見通せない状況となっており、
足許も強い輸送需要と港湾・内陸の混雑が継続しており、
需給バランス正常化の時期は不透明となっているようです。
ただ、第3四半期になると徐々に正常化に向かうであろうという前提で見通しを策定しているようです。

コロナウイルス感染症の影響によって物流も大きな歪みが出てきていますので、
今後の動向にも注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる200本EMAと価格の推移を見ていきましょう。
リーマンショックまでは右肩上がりとなっていましたが、
リーマンショックにより右肩下がりとなりました。
その後、2013年に200本EMA超えに挑戦しましたが、直ぐに反落しました。
そこから2015年にかけてもう一度200本EMA超えに挑戦しました。
超えてトレンド転換するかに見えましたが、失速して反落していきました。
2018年にも三度目の挑戦となりましたが、あえなく失敗し反落しました。

2020年3月にはコロナショックにより大きく下落し2012年の安値を割り込みました。
ただ、ここから大きく下降トレンドになるのではなく、
やや変則的なダブルボトムのような形で底打ちをしました。

そこから9月に第1ステージ移行してからは一気に200本EMAを超えて、
ステージが変わることなく帯に傾きが出て隔が広くなっているのが分かります。
第1ステージで3本の移動平均線の間隔が広がっているということは
トレンドに勢いがあるということです。

そして、逆Cカーブの上昇で傾きが鋭角になってきています。
更に、大陽線となってきていますので、強烈に勢いがあるのが分かります。

ここで天井を打つパターンとなるのか、
それとも、まだまだ上昇が続くのかをしっかりと見ていきましょう。
そのヒントになるのが短期移動平均線と帯の関係になりますので注目して見ていきましょう。

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