注目チャート18|ポンド・ドル

皆さんこんにちは。
安倍晋三首相が25日に今週召集される臨時国会冒頭での衆議院の解散・総選挙を表明しました。北朝鮮からの脅威が高まるなかで「国難突破」のため国民の政権負託をあらためて問うと安倍首相は語りました。「大義がない」「加計隠し」「北朝鮮が有事の時に・・」などの意見もあるようですが、政治の世界は我々庶民の考えとはちょっと違った世界なのかもしれませんね。
いずれにせよ、政局が動けばマーケットも動くのは世の常ですので、今後のマーケットの動きに注目していきましょう。
今週の「S」の気になるチャートとしては、政局が動けばマーケットも動く典型的な事例となった「英国のEU離脱表明」として話題になった英国の通貨である「ポンド」を取り上げようと思います。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


ポンドドル 週足チャート       9月27日現在

 

昨年の2016年6月23日にイギリスで行われた国民投票といえば、皆さん記憶に新しいことと思います。欧州連合(EU)離脱是非を問う国民投票が行われ、欧州連合離脱派が勝利しました。その勝利以降、FTSE100は一時的に下落するも国民投票の約40日後には過去12か月で最高値を記録し今年に入ってからは過去最高値をつけました。その要因の一つがポンド安であったといわれています。国民投票後に首相になったメイ氏が10月2日に、欧州連合離脱交渉を3月末までに開始すると発表してポンドは下落を再開しアルゴリズムが要因と噂された魔の10月7日に1985年以来の安値を付けました。ではその一連の流れを見てみましょう。

 

移動平均線大循環分析によるステージCHECK

現在のステージはステージ1となっています。ステージ1移動平均線大循環分析では上昇期となります。小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がればトレンドに勢いが出てきます。週足ベースでは2014年以来のステージ1となりますので、ここからの動きを「CHECK」していきましょう。

ズバリ!注目点

イギリスポンドの公式名称はポンドスターリングというそうです。ポンドは外国為替市場では4番目に取引量の多い通貨となっており、表記はGBPとなっています。ポンドは2014年から約2年間下げ続けましたが、EU離脱を国民投票で決定したことがダメ押しとなりました。ブレグジット(Brexit)という造語が出来て、マーケットの激しさに翻弄された方も多かったのではないでしょうか。
そのポンドがブレグジットの材料を織り込んだかのように反転上昇してきています。要因は幾つかあると思われますが、ポンド安により輸出が伸び株価が上昇しとこと、また、ポンド安により観光客が一気に増大したことなどがあげられます。英国のEU離脱交渉は難航すると予想されています。つまり、英国はEUを離脱しないのではないか、もしくは、ハードブレグジットは無いのではないかといった観測もポンドの反転につながっているのかもしれません。英国の政治リスクに注目することでポンドの動向のヒントを探せるかもしれません。

「S」の目線

イギリスの中央銀行はイングランド銀行(BOE)といいます。BOEのカーニー総裁は6月28日に、英国経済の回復に連れてBOEは利上げの必要性が生じる可能性があり、「向こう数カ月の内に討議」することを表明したことで、テーパリング(金融緩和の縮小)を示しました。また、9月14日のBOE金融政策金利発表では、金利は据え置きでしたが、BOEが今後数カ月内に金融緩和を縮小する余地があるとの認識を再度示しました。
市場で予想される利上げ時期が従来よりも早くなったことがポンド高の要因となりました。ここからポンドが大きく上昇するのか、それとも一過性のリバウンドになるかはBOEの動向が非常に重要となってきますので、BOEの金融政策に目線を向けて、ここからの流れにしっかりと追随していきましょう。

(ライター「S」)

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