注目チャート174|日本航空(9201)

皆さんこんにちは。

「2月は逃げる」ともいいますが、もう月末となってきました。
今年はアメリカで強烈な寒波が襲ってきているようです。
ワシントン州では約50年ぶりの積雪の多さとなり、テキサス州では100年ぶりの寒波、
オクラホマシティでは120年ぶりの低温となったようです。

この異常な寒波は北極圏の寒気が南部まで蛇行して降りてきたからだそうですが、
その寒気は日本にも掛かったり外れたりしています。
寒波が外れた今週前半は5月初旬の気温となり、
寒波が絡んでくる週後半は前半から10度以上も気温が下がるということです。
体調管理には十分気を付けていきましょう。

そんな中、日本では桜が満開となってきました。
桜といっても、日本で一番多い「ソメイヨシノ」ではなく、「河津桜」という品種です。
静岡県の河津町で発見されたことでこの名が付いたのですが、
2月から3月辺りに開花するため、一足早い春を感じることが出来るということで人気があります。

昨年は春を謳歌できなかったので、今年はコロナを克服して楽しみたいですね。
今週はコロナ克服を先読みしてきたのか、といった動きをしている企業を見ていこうと思います。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


※ 本動画では TradingView のチャートを使っています(TradingViewへのリンクはこちら

上記のチャートは、「日本航空」の週足チャートになります。

第二次大戦後に日本の占領に当たった連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ)が
1950年(昭和25年)に日本の航空会社による運航禁止期間を解除して
1951年に「日本航空株式会社」として設立されました。

日本を代表する航空会社として発足から長らく絶対的な企業として君臨していました。
しかし、2010年には経営悪化から倒産し上場廃止となりました。
京セラの稲盛和夫氏がグループのCEOに就任し、
奇跡のV字回復を遂げて2012年に再上場し市場に復帰したのは記憶に新しいところです。

まずは、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第6ステージとなっています。

第6ステージは移動平均線大循環分析においては上昇相場の入り口です。
小次郎講師流に見れば、下降帯が上向きになって間隔が狭くなってきているので
トレンドの勢いが無くなってきているのが分かります。

ここから中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けばトレンド転換となり、
短期移動平均線が下降帯を下抜けば下降トレンド継続に戻る可能性が出てきます。

短期移動平均線と帯の関係、
中期移動平均線と長期移動平均線の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

まずは、昨年の4月に発表された2020年3月決算の内容を見てみましょう。
売上高は1兆4112億円、営業利益は1006億円、最終利益は534億円でした。
利益が大きく落ち込みましたが、黒字は確保されていました。

では、次に21年2月1日に発表された4月から12月までの第3四半期決算を見ていきましょう。
売上高は3565億円となり前年同月比でマイナス68%、
営業利益はマイナス2895億円と赤字転換となっています。
また、最終利益はマイナス2172億円とこれも赤字転換となりました。

内訳を見ると国際旅客の落ち込みが前年同期比でマイナス95%となっています。
国内旅客の落ち込みが前年同期比でマイナス68%です。
その他の売上もマイナス48%と半減し、プラスは貨物郵便くらいでした。
しかし、貨物郵便では全体の売り上げをカバーするには遠く及びませんでした。

このコロナ禍において、ワクチン接種が進み、コロナに打ち勝つとなれば
世界的に旅行や移動の制限が緩和されていくことも想定されますが、
まだまだ道のりは険しいようです。

ニューノーマルに向けた事業構造の見直しが大きな課題となりそうです。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。

大局の強気と弱気の分岐点とされる200週EMAと価格の推移を見ていきましょう。
2019年に価格がデッドクロスしてから、200週EMAは右肩下がりの展開が続いています。
コロナショックで移動制限が始まる前から
チャートは大局の弱気相場入りとなっていたということです。

次に移動平均線大循環分析の帯と価格の関係を見ていきましょう。
価格と200週EMAのデッドクロスしたところが第4ステージですが、
その後は、瞬間的に第5ステージになるところもありますが、ずっと下降帯が継続しています。
そして、帯に傾きが出て間隔が広がっていましたので、トレンドに勢いがあったのが分かります。

2020年の半ばから後半は短期移動平均線が帯を試す動きが何度かありましたが、
下降帯の抵抗を受けて跳ね返させられていました。
2021年になって、その安定下降に変化が出てきました。
どういった変化かというと、価格が200週EMAとデッドクロスしてから初めて
短期移動平均線が下降帯を上抜けてきました。
これにより、上昇相場の入り口である第6ステージへと移行してきました。

ここから、トレンド転換するのであれば、中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けていきます。
上昇が一時的であれば短期移動平均線が帯を再び下抜けていきます。
現状の動きは非常に重要な局面であり、
3本の移動平均線がどのように推移するのかを確認していきましょう。

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