注目チャート168|ドル建てゴールド(GOLD)

皆さん、新年あけましておめでとうございます。

旧年中はこのコラムを読んでいただき有難うございました。
今年も宜しくお願い致します。

2021年を迎えて今年はどういった1年になるのでしょう。
昨年はコロナ感染に苦しんだ年でしたが、今年はコロナを克服する年にしたいですね。

令和3年の干支は「丑」です。
米国で“うし”というと「ブル」となり、ブルはマーケットでは強気を意味します。
そういう意味では、期待したくなりますよね。
ところが、干支の相場格言では「丑つまずく」となっています。
つまり、日本では強気一辺倒ではなく、下がることに懸念が必要だということです。

とは言いつつも、干支で相場が分かるのであれば苦労しません。
上がるか下がるかは誰にも分かりません。
だからこそ、チャートの動きが大事なのです。
チャートの変化を見ながら柔軟に対応することが求められます。

今週の気になるチャートは、今年のマーケットを見ていくうえで
是非ともチェックしておきたい銘柄を見ていこうと思います。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


※ 本動画では TradingView のチャートを使っています(TradingViewへのリンクはこちら

上記のチャートは「ドル建てゴールド」の月足チャートです。

金は有史以来、人類の富・権力の象徴や危機に対する強さで高い信頼を得てきました。

戦争やインフレ、金融危機の時などに買われやすく、
世界中どこでも換金できる事が大きな魅力の
限りある希少性の高い資源です。

では、そのゴールドがどう推移しているか
まずはチャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージとなっています。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、帯に傾きが出て間隔が広がっていますので、
トレンドに勢いがあるのが分かります。
このまま3本の移動平均線の間隔が広がっていけば
更にトレンドに勢いが出てきます。

短期移動平均線と帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

人類が今までに採掘してきた金の総量は約15万トンです。
これは、オリンピック公式プール約3杯半分の希少性の高い資源とされています。

需要は宝飾用をはじめ、地金や金貨、また、ハイテク産業用としての用途もあります。
現在地球に埋蔵されている金は約7.6万トンといわれています。
しかも、その大部分は採掘が困難な場所にあり、
近い将来は、地上にある在庫を再利用し続ける以外に
手段がなくなると予想されています。

そして、世界有数の鉱山国であった南アフリカでは生産量が減少しています。
一方で、中国の生産量が増加し今や世界一の産出国となっています。
そして、中国をはじめロシアなどの新興国は外貨準備と合わせて
ゴールドの保有量も増やしていっています。

昨年はコロナショックによってゴールドは大きく上昇しました。
また、世界中で金融緩和やコロナ感染拡大による経済対策を行っていることで
貨幣価値の棄損からゴールドに資金が流れやすいといった声もあるようです。

昨年のコロナショック後からは株高とゴールド高が並走しています。
今年もそういった動きが続くのか、それとも、ゴールドが独自の動きを見せるのかに注目です。

ゴールドが上昇するところでは、インフレが起きているとかリスクオフの動きになっています。
リスクオフとは株式市場が下がりリスクを取るのは止めましょうという状況です。
逆にゴールドが下降するところでは、デフレになっているとか
リスクオン(株式市場が上がりリスクを取る動き)になっているでしょう。

今年のゴールドは大注目です。

このチャートをどう見るか?

月足チャートで見ると大きな流れが三つあるのが分かります。

一つ目は、1980年前後の動きです。
1970年代から急上昇しているのが分かります。
ただ、そこで天井を付けてからは
2000年までの約20年間も暫く調整局面となっていました。

そこから、今度は二つ目の動きが始まりました。
10年以上をかけてゴールドが上昇を続け、
移動平均線大循環分析では第1ステージを維持していました。
また、200月EMAも横ばいから上向きになりました。
2011年に高値を付けてからは一気に調整局面となりましたが、
約5年の調整で終わりました。

そして、三つ目の動きが底から直近相場の上昇局面となります。
下降期である第4ステージから切り返し暫くもみ合い相場を経てから
短期間で一気に上昇してきています。

月足チャートで見たときのこれらの三つの動きが3段上げになっているとすれば、
現在の上昇局面が終われば天井を打つということも想定されます。

いずれにせよ、現在は第1ステージを継続しており、
ゴールドが上昇する流れが続いているということを理解しましょう。
そして、ゴールドが上昇しているところというのは
マーケットがどうなっているのかを確認し、
トレードのヒントにしていきましょう。

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