注目チャート149|エステー(4951)

皆さんこんにちは。

旅行の需要を喚起する策として「Go Toトラベル」が始まっています。
新型コロナウイルスの感染者が日々増加する中でのキャンペーンです。
楽観的な方もいれば、悲観的な方もおり、賛否両論の意見対立が激しくなっている印象です。

そのようななかで、3カ月以上感染が確認されていない
全国唯一の都道府県だった岩手県でも感染者が出てきました。
今、岩手をはじめ地方ではある問題が浮上してきています。

それは、首都圏からの来県を拒む傾向があるということです。
また、県として感染者を増やしたくないという警戒が高まっていることです。
達増知事が記者会見で、厳しい現状にあるとの認識を示しつつ、
感染への注意と感染者を批判することのないよう県民に呼びかけました。
それだけ過剰とも言える反応が起きているのです。

また、このような例がありました。
それは、地元で初めての感染者が出たときに、
その名前と写真が掲載されたビラが大量にまかれたのです。
また、首都圏在住の人が実家のある田舎に帰省する相談をした際に、
「絶対に帰るな――。」といわれ、「感染者を出すと周りの眼の問題がある」と
たしなめられる事例が後を絶たないようです。

このような状況では「Go Toトラベル」どころではなく、
今年の夏休みも巣ごもりの夏になるのかもしれませんね。

今週の注目チャートは、その巣ごもり需要の恩恵を大きく受けている企業を取り上げました。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)


※ 本動画では TradingView のチャートを使っています(TradingViewへのリンクはこちら

上記のチャートは、「エステー」の週足チャートになります。

1946年にナフタリン防虫剤製造を目的に「エステー化学工業所」として創業しました。
2007年に現在の「エステー」に社名を変更しました。
日本の日用雑貨メーカーとして、主に家庭向け消臭剤、防虫剤、除湿剤、
冷蔵庫脱臭剤などを販売している企業となります。

社名のエステーとは、Sは奉仕を意味するservice、Tは信頼を意味するtrustを
合わせた造語で、また商品の最高を目指す(Super Top)の意味合いも持っているようです。

まずはチャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第1ステージです。

第1ステージは移動平均線大循環分析においては上昇期です。
小次郎講師流に見れば、中期移動平均線が長期移動平均線を
上抜けたところですので、トレンドの勢いはまだありません。

ここから3本の移動平均線に傾きが出て間隔が広がってくればトレンドに勢いが出てきます。
一方で、短期移動平均線が帯に突入してくれば第2ステージに移行しますので、
ここからの短期移動平均線と上昇帯の関係を「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

エステーには販売カテゴリーが6つあります。
エアケアという消臭芳香剤、衣類ケアの防虫剤、サーモケアのカイロ、
ハンドケアの手袋、湿気ケアの除湿剤、そして、ホームケアのその他となります。

2020年3月期の決算発表が4月28日に発表されました。
売上高は475億円、最終利益が22億円でした。
前年度から見ると最終利益は伸びていましたが、
2018年3月期の時の過去最高には届きませんでした。

そして、7月29日に2021年3月期の第1四半期の決算発表が行われました。
売上高が112億円ととなり、前年比で10.9%の増加でした。
営業利益が8億円となり前年比で2.3倍増、
経常利益も8億円で前年比約2倍増という結果となり
巣ごもりで衣替え需要が高まったことや
新型コロナウイルスに対する除菌・衛生意識の高まりなどが大幅増加の要因のようです。

内訳を見ると、全体の構成の46%を占めるエアケアは前年比で98.8%でした。
構成比では21%の衣類ケアが前年比24.3%増で、構成比13.4%のハンドケアも24%増でした。

ここから、ウィズコロナ時代を上手く立ち回るのかどうかにも注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析で解説していきましょう。
大局の強気と弱気の分岐点とされる200週EMAをみると、
2019年辺りからは緩やかな右肩下がりの動きでした。
その200週EMAを今月になって上抜けて、約1年2カ月ぶりの200週EMA超えとなりました。

ステージを見ると、2019年の後半から2020年5月くらいまでは
ステージの「4→5→4の戻り売り」パターンとなっていました。
そこから、第4ステージから第5ステージ、第6ステージ、
そして、第1ステージへと順行する動きを見せています。

約1年半ぶりの高値となってきたことで、
大局の動きにも変化が出てくるかもしれません。
しかし、帯の動きを見ると、まだ、上昇帯になったばかりなので、
ここからトレンドに勢いが出るためには、
帯に傾きが出て間隔が広がる必要があります。
一方で、短期移動平均線が帯に戻ってくるようであれば、
今回の反発が一過性になることも考えられます。

トレンドに勢いが出るのか、一過性で終わるのかを見ていくようにしましょう。

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