インベスター俳優「瞬」の劇的!初心者講座 その13【通貨ペアの表記順】

新年あけましておめでとうございます。

もう年明けてから半月以上経ったよ…!というお声も聞こえてきそうですが、
今年初めての「劇的!初心者講座」なのでご挨拶させてくださいね。

2018年になり株式市場が世界各地ともにどんどんと高値をつけ大いに賑わってきておりますが、
じゃあ為替はどうなんだと問われると、どうにもパッとしない模様。
レンジの中を行き来している通貨ペアもあります。
ただ、ユーロが強まってきているなぁとは思いますので、
ここから新たな潮流ができるかに注目ですね。

さて、FXを投資としておやりになってない方にも注目して欲しいのが
この「為替」。
世界の様々な投資商品は色々なところで連動しているので、
例えば株をおやりになってても商品先物をおやりになってても、
それを取引する媒体であるお金、つまりは通貨価値の強弱を測る「為替」は
どなたでもチェック必須項目だと小次郎講師も僕も思うところですが、
いつものようにチャートを見ててふと気になったんですよね。

USD/JPYのことを普段僕らはドル円、ドル円って言ってるけど、
ドルの価値を円換算で1ドル〇〇円、と表すのは日本だからなの??
アメリカ行ったら「円ドル」、要するに100円〇〇ドルだね
なんて言うの…!?

こう素朴な疑問が湧いてきました。

いや、むしろ初心者の方にこそ、
この通貨ペアの表記問題はシビアなもので、
最初の内はこの順番もさることながら
「ドル円が上がったら円安だっけ円高だっけ…?」という悩みに毎回頭を使い、
中高での政治経済の授業をもっと真面目に受けとくべきだったと後悔するような経験、実は皆さんあったりしますよね!?
(かなり余談ですが、たまには俳優的なことを言っておくと、舞台には上手と下手が左右表記としてあり、ベテランの役者さんでさえも中には「あれ、どっちが上手だっけ…右?左?」と逡巡することが“舞台あるある”としてあります。)

とうことで、新年一発目の初心者講座は、この通貨ペアの並び順の謎に迫ってみたいと思います!

外人にもUSD/JPYは通用するのか!?

貨幣価値の「高い」と「低い」

まず基本的なことからお話すると、
USD/JPYというチャートがありますね。
これは簡単に言うと「1ドルを円換算すると今100円ですよ」というふうに、
1ドルを軸にその価値を円で表しています。

ですから、このチャートが上昇し仮に1ドル150円になったら
1ドルを得るためには150円必要で、
今まで100円で得ることができたのと比べると
お金がたくさん必要になることから、相対的に円の価値が下がった(=円の価値が安くなった)、
つまりチャートは上がっても「円安」ということになります。

反対に1ドルが50円になったら、
今まで100円要していた1ドルの物が50円だけで買えるようになるわけですから
相対的に円の価値が強くなった(=円の価値が高くなった)ということになり、
チャートは下落しても「円高」ということになります。

「そんなの当然知ってるよ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
初めの内はこういうことも「なんでだろう?」と思うものです。
その疑問をなんとなくで済ませずに、考える癖が大切。

そして何より「基本」は大事ですからね!

ここまでよろしいでしょうか??

通貨ペアにおける「左」と「右」の役割

そして並び問題ですが答えから申しますと、

なんと

この並び順は世界共通なんです!!

ヨーロッパ人でも「円ユーロ」などとは言わず
世界のどこでも「ユーロ円」と呼ばれるのです!

驚かれました??
え、知ってました…?もったいぶって言うことじゃないって??
(僕はとても驚きました)

その理由は後述するとしまして、
まずは左右の定められた役割をお話していきましょう。

例えばUSD/JPYと表記されている場合、
左側の通貨が主軸通貨(取引通貨)、右側の通貨が決済通貨
という役割を担っています。

FX、つまり外貨を交換する場合
左側の通貨で売買し、右側の通貨で決済するということになります。

ドル円を買い注文したとすると
「円でドルを買い、値上がりしたところで円で決済しました」
売り注文したとすると
(売りが絡むと別の説明も必要になってしまいますが)
「ドルを売り、値下がりしたところで円で(買い戻して)決済しました」
という仕組みになるのです。

左側にある主軸通貨の方が、
その名の通り交換のメインとして扱われるのですね。

通貨ペアの並び順”暗黙のルール”

じゃあ左側がメインってことは、左側に来る通貨の方が偉いの!?
と問われると、

実はそうなんです!

( “偉い”と言うと語弊があるかもしれませんが)

というのも、この並び順には“決まり”がありまして。

さてここで、唐突にクイズ。

世界の中で金融の中心といえばどこでしょうか??

「やっぱり大国アメリカ!?」

と思われがちですが、正解は「イギリス」なのです。

通貨の始まりはイギリスから語られますし、
世界史でも大体主役はヨーロッパですよね。
(アメリカも歴史的に見れば、新大陸としてヨーロッパの人たちに発見され発展して行ったに過ぎません)

今だに世界の海を制した英国の威光は衰えていないのです!

そして最近になりヨーロッパを包括する欧州連合、つまり「EU」が誕生し、
イギリスさんも流石にNo.1の地位をEUの共通通貨である「ユーロ」に明け渡しました。

ですから、ユーロ【EUR】は何においても左側にきますし、
それに次ぐのがポンドの【GBP】。

アメリカのドルが世界の基軸通貨となった今でも、この昔からの慣習は変わらないんですね。

そしてポンドに次ぐのが、イギリスの権力がかつて支配していた、国旗にユニオンジャックを冠するオーストラリアのドル【AUD】やニュージーランドのドル【NZD】。
(これらはイギリス連邦という意味の“コモンウェルス”と呼ばれ、AUD>NZDという関係性もあります。)

その次に位置するのが
イギリスがかつて植民地としていたり配下に置いていたりした国々、
つまり南アフリカのランド【ZAR】などです。

そしてようやっとアメリカのドル【USD】の登場です。
普段ブイブイいわしてるイメージがありますが、為替界ではおとなし目の立ち位置なんですよ。

そこから、それ以外の通貨である
スイスのフラン【CHF】やカナダのドル【CAD】、香港のドル【HKD】やメキシコのペソ【MXN】やトルコのリラ【TRY】等の小国がバラっといる感じです。

最後に日本の円【JPY】がおでまし、
といった形でメジャー通貨が出揃いました。

序列を図で表すとこんな感じでしょうか。

日本最下位で悲しいっすね……!!
どんな通貨とペアでも大体右側。
(まぁ我々日本人としては、通貨の価値が表記統一されててわかりやすくていいんですけど。)

米ドル、ユーロに次ぐ世界第3位の流通量がある「円」。
「三大メジャー通貨」なんて呼ばれたりもしますが、やはりヨーロッパから見れば“極東”の島国日本はこんな扱いを未だされてしまうんですね… 笑

というのも、円が右に表記されるのにはまた別の理由もありまして、
ポンドやユーロやドルが、小数点の左側が1ケタなのに対して円はそれに合わせようとすると3ケタ必要になります。(例:1ユーロ130円や1ポンド150円etc)

基本となる通貨のユニット数が他のメジャー通貨と異なることから、
全体の表記のバランスが合わせづらくならないように
いつだって円を右側に配置するという暗黙のルールが施行されているのです。

そう考えると少し慰められますね 笑

TradingViewで抗ってみる

しかし、この序列をたまには逆転させてみたい…!
いつも割りを食う日本円にたまには陽の光を浴びせてあげたい…!
いや、むしろ下克上だ!!
円を左に…!!

という日本人ならではの願いを叶えてくれるのが、
このチャート情報局でもShoujiSuzukiさんが連載しているチャートシステム
「TradingView」なんです!

TradingViewはフレキシブルに数多のカスタマイズが可能なので、
銘柄を入力するここ、左上のウィンドウに
普段と逆転させた『JPYUSD』と打ち込めば
円を中心とした円ドルのチャートが見れるのです!!

つまり今現在1円=◯◯ドルということですね!

いつも玉座に座って踏ん反り返っているポンド様ですら
TradingViewの手にかかれば、そうら!

「円ポンド」の出来上がり。

1円を0.00〜ポンドで表すことの優越感よ!

…という変な悦に浸ったとしても、
こんな異端なチャート、
世界中の投資家の中で見てる人なんてほとんどいないチャートですので、
これで分析してもあまり意味がないかもしれませんね 笑

 

以上!通貨ペア表記の決まりでした!

これを知っておくと日々のFXが少し楽しくなるかも!?

 

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